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退職を決めたら女性上司に「バカにすんな!」と罵られた。どうすべき?

― 連載「佐藤優のインテリジェンス人生相談」― “外務省のラスプーチン”と呼ばれた諜報のプロが、その経験をもとに、読者の悩みに答える!

退職を決めたら「社会人として最低」と罵られた

死にかけ看護師(ペンネーム) 看護師 女性 39歳  勤め先の病棟の人手不足が悲惨なことになり、職場環境の改善を求めたら上層部から「環境はつくるもの。あなたは理解が悪い。環境というものについてリポートを書きなさい」と言われました。体調悪化に加えてもともと悪かったメンタル面がさらに悪化しています。でも人が少ないので休めません。転職回数が多いので我慢していたのですが、最終的に自分自身の人生を考えて退職をすることにしました。  そして、上司である看護部長と本日話し合い退職が決まりました。退職は来月末となりました。ですが、話し合いの際の看護部長が罵詈雑言祭りでした。「バカにしてんじゃねーよ」「社会人として最低」「あんたのその態度にスタッフも患者さんも全員怒ってる」「(ダメな部分は)その顔、その笑い方。本当にバカにしてる」「あと1か月、接遇を叩き直してやる」などとボロクソでした。看護師としていろいろな病院で働きましたが、こんな上司はあんまりいないです。  あと1か月、されどあと1か月。こういうクレイジーな上司と付き合う方法を教えてください。 インテリジェンス人生相談◆佐藤優の回答  女性上司によるパワハラも珍しくありません。新庄耕さんは、パワハラによる劣悪な労働環境の実態について、小説でこんなふうに描いています。 ===============  再三にわたる部下への過剰な叱責のために、人事部にもちこまれる相談や苦情は少なくなく、行動をあらためるよう沙智は会社から幾度も注意をうけている。いっこうに改善の兆候が見られないために、沙智の排斥を求める声がたびたび上がり、その都度、上層部で意見が交わされるが、会社都合による従業員の解雇は容易でないうえ、彼女のすぐれた業績が優先されてうやむやとなっていた。  フロアの端では、なおも沙智の叱責がつづいていた。 「なんなんだって、アタシが聞いてんの。ぜんぜんさっき言ったこととちがうじゃん」  沙智は、新入りの女性WEBディレクターを見下ろしながらなじった。 「いや、あの、言われたようにやったつもりですけど……」  沙智と眼を合わせることなく、新入りディレクターがふてくされたようにつぶやく。撫然とした表情で眼をそらしている新入りディレクターの態度が、沙智の神経を逆なでする。 (中略)「そんなことアタシが言うかよ。いい加減にしろよ本当に。こんなあんたの自己満足のゴミ記事でPVかせげるわけないじゃん、なんなの」 (『カトク 過重労働撲滅特別対策班』162~163頁) ===============  あなたの職場環境に似ていると思います。恐らく、あなたが勤務している病院の看護部長もこのような人なのだと思います。あなたを引き留めずに、退職願を受理したということは、病院が看護部長を支持しているということです。
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明日から休めばいい
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’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数

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