55歳で年収50万円、母親の年金で暮らす転落人生「独身でよかった…」
退職後、再就職斡旋会社に登録するも丸1年間、音沙汰なし。在職中に取得した社労士の資格もまったく役には立たなかった。
「資格があっても所詮、未経験ですから。もう以前のような職に就くのは不可能だと悟って、非正規の職を転々としながら、派遣の家庭教師に落ち着いたんです」
だが、その派遣元も昨年の秋に破綻。今は別の派遣元から生徒を紹介され月に4万円ほどの収入を得ているが、受験が終わり、新たな紹介がなければ収入はなくなる。
「父が亡くなり、母の遺族年金などが17万円ほど入るので、それが命綱。こんな苦労を他人にさせられないので、今となっては独身を貫いていてよかった」
語り口はかつてのホープだけあり軽やかだが、その眼差しの奥には疲労が色濃く蓄積されていた。
― 転落する50代の共通点 ―1
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