更新日:2018年12月23日 14:36
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南青山はそれほど高級か?児相問題で不動産のプロが語る「田町より格下だった青山」

青山ブランドの歴史は浅い、田町のほうが格上だった

南青山児童相談所

青山通り

 青山いうと富裕層が住む高級なイメージがある。不動産価値から見ても、そんなに高級な土地なのだろうか? 「青山はもちろん高級住宅街です。昔から3Aと言われ、『麻布』、『赤坂』、『青山』。誰もが知っている全国区ですね。高級ブランドがあるため平日でも来日する外国人観光客は沢山います。広尾や恵比寿も台頭してきていますが、そこは昔からの青山ブランド。特に児童相談所建設予定の5丁目は中心地でもあるので、一部の人が反対する気持ちも多少はわかります。ただ、逆に青山は国の宝である子供に優しい地域とアピール出来るチャンスかとも思いますが……」(ようすけ氏)  DJあかい氏によると、青山ブランドの歴史は浅く、かつては田町のほうが格上だったという。 「青山は、江戸時代でも明治・大正でも街外れの場所で、だからこそ青山霊園みたいなでっかい墓地ができたわけです。青山の地名はこの地に屋敷があった大名からとってるのですが、墓地に青山とはなかなかシャレが効いてますよね(僧月性の、人間到る処青山あり、の言葉でも知られるように「青山(せいざん)」とは墓地を指す)。  青山の住民が『児童相談所を作るなら田町とかあるのに…』と言いましたが、江戸時代には田町の方が薩摩藩邸などがあり、格式が高かったわけです。勝海舟・西郷隆盛会見の地薩摩藩蔵屋敷は今の三菱自動車本社だし、薩摩藩上屋敷は今のNECとセレスティンホテルで、どれも田町です。  不動産の難しいところって、『1.昔すごかったところ』『2.今すごいところ』『3.これからすごくなるところ』のバランスを適宜考えながら評価するわけです。  たとえば台東区根岸とかは典型的な1で、文豪たちの住まいで歴史的には格式あるけれども、今はラブホや風俗で住居としての評価はほぼ顧みられないじゃないですか。湾岸だとかさいたま新都心だとかは3になるわけで、これまでのベースがないのをどう評価するかって話になります。  青山は2のカテゴリーで、わりかし評価の新しい街なわけです。街としての発展は、(昭和30年代に)国道246号線がしっかり通って以降だから、古い大邸宅とかがないわけです(用途指定の関係もあるが)。しかしここまでこの騒動が荒れちゃうと、『これが青山の評価転落の起点になったりしなければいいけど』という心配もあります」(DJあかい氏)
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「不動産会社が反対運動の黒幕」説は本当か?
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