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日雇い労働者たちのクリスマスに密着「時給の高い仕事がサンタからのプレゼント」

 最後に話を聞いたのが、日雇い労働を初めてまだ1年弱の加藤凌平さん(仮名・42歳)だ。彼は上の2人とは違い、昨年まで一般企業に就職していて、妻子もいた。 「昨年離婚しまして、家族を養う目標を失ってからは仕事する気力もわかなくて、自主退職しました。今は、これまでの貯金で生活しているけど、何もしていないと暇だから定期的に日雇い労働に出ている。当分は就職も考えてないよ。俺も去年まではクリスマスを家族で祝っていたけど、今年はクリスマスは日雇い労働で働いたあと、1人でお酒飲んでいました」  無気力さを感じさせる加藤さん。クリスマスの喧噪は、家族を失った彼には毒気が多すぎるのかもしれない。ちなみに、暇つぶしで日雇いを続けているという加藤さんだが、理由は異なれど、彼のようなケースは珍しくない。  上記3人以外にも話を聞いたが、日雇い労働に勤しむ人の多くに女性の影を感じることはなかった。厚生労働省発表の就業構造基本調査(平成24年度版)によると、30~34歳までのフリーターの有配偶者率は13.6%。男性フリーターの厳しい現状がわかる。  日雇い労働に勤しむ人は、クリスマスに女を求めようとするよりは、小田さんのようにボーナスデーと割り切って楽しむのがいいのかもしれない。 取材・文・撮影/慎虎俊
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