――競馬ファンの飲み屋とかは見たことありますけど競輪の、ましてうどん屋はまずお目にかかれない 栂野：競輪でこの空気感の店はほかには知らないね～。来るお客さんに聞いても、競輪ファンの店はあっても、焼酎とモツ煮込みの店とか。冗談抜きで日本で一番年齢層の低い競輪ファンが集まる店だと思う。20代30代が結構来るよ。 ――競輪ファンじゃないお客さんもいらっしゃるんですよね？ 栂野：この店で初めて（店内に流れてる映像で）競輪を見たという人は多い。15年前だったら、まだ特別競輪の決勝は普通に地上波で中継されていた。だから昔は見たことはあるって人は結構いたんだけど、今やレース映像を見たことないって人が多くなった。不思議がられますよね。なかなかスタートしないとか、ずっとグルグルしてるとか（苦笑）」 ――うどん食べようと思って競輪中継してるのを見て、競輪を理解してくれるお客さんもいたりするんですか？ 栂野：いっぱいいますよ。競走の格とかわかるようになってしまったりとか、オールスターとかダービーとかが凄いっていうのとか、赤いパンツの人がすごいとか…… 　純粋にうどん屋としても魅力たっぷりの店だが、競輪に触れてみる機会としてもよい場所だ。12月29日の夜はうどん屋としては店が閉まるが、イベントとして競輪ファンが集う競輪グランプリ前夜祭が開催される。様々な若手競輪ファンが集まるので、翌日の競輪グランプリ予想の参考としても訪ねるのはオススメだ。夜な夜な集まる競輪ファンたちと一緒に飲んで、うどんを食べてみるのはいかがだろうか。（イベント中はうどんの提供はありません） 【栂野眞二氏】 東京・下高井戸の創作うどん店「JAZZKEIRIN」店主。世界旅行やたわしの輸入業を営むなど、激動の半生を描いた著書に「タワシ王子の人生ゲーム」がある。公営競技ライター・Youtuber。近鉄ファンとして全国の遠征観戦費用を稼ぐため、全ての公営競技から勝負レースを絞り込むギャンブラーになる。近鉄球団消滅後、シグナルRightの名前で2010年、全公営競技を解説する生主として話題となり、現在もツイキャスやYoutubeなどで配信活動を継続中。競輪情報サイト「競輪展開予想シート」運営。また、ギャンブラーの視点でプロ野球を数で分析するのが趣味。