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神戸山口組の最高幹部“電撃辞任”の内幕 組織運営を放棄?

引退を迫る音声ファイルも流出

 本稿に名前の挙がる神戸山口組の幹部たちは、いずれも分裂を主導したキーマンである。一心同体だった彼らがなぜ、これほどまでに井上邦雄組長から離れていくように見えるのか。前出の六代目山口組系組長が語る。 「これまで神戸山口組を支えてきたのは、『喧嘩に強い』山健ブランドでした。喧嘩は山健組、資金は池田組という話で始まってますから。  ところが蓋を開けたら、からっきしでした。相手組織の幹部を狙って行く道中でなぜか、警察に捕まる。『自分がやります』といきり倒していた人間が組織を割って、神戸山口組の体制批判をする記者会見まで開く。いずれも山健組の人間です。挙げ句、その人間の暗殺にも失敗してるのですから、そりゃシラケるでしょう」  このタイミングで、山健組の弱腰ぶりが露呈する音声ファイルも流出した。内容は六代目系組織の幹部が昨年8月に山健組直系組長の身柄を抑え、引退を約束させたものだという。 「この音声ファイルの存在を聞きつけた神戸有力組織の幹部が『身内だけで聞くから』という条件でデータを譲り受け、幹部が集まる席で聞いたそうです。終始押されっぱなしの山健組サイドの態度もさることながら、井上組長がそれを見て見ぬフリをしていることに呆れていました。この音声ファイルはその後、宅見組から拡散されました」(同前)

キーマンは中田広志・山健組組長

 今年の夏で、分裂から4年が経過する。秋口には六代目山口組のN0.2である高山清司・若頭も刑期を終える予定だ。「高山若頭が出所してくれば、分裂劇が終わる」とみる関係者は多い。  鍵を握るのは、やはり山健組の動向のようだ。前出の六代目山口組系組長が語る。 「井上の後を継ぎ、五代目山健組を率いる中田は先代(渡辺芳則・五代目山口組組長)が目をかけて将来を期待していた人物であり、五代目姐の信頼も厚い。極道としての所作もわきまえているはず。今の神戸山口組をみる限り、内部で解決するには中田にすべてを託すより他はないのでは。  有能な幹部ほど、統合後の移籍先は決まっているのが実情です。神戸の執行部連中だって、この状況を知らないはずがありません」  高山若頭の社会復帰まで、残すところ約半年となった。両組織は果たして、どのような決着を見せるのか。 取材・文/SPA!編集部
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