ホストにハマり30代で風俗嬢になった女性。「月収100万円でも貯金はゼロでした」
普通の女性がある日、突然風俗嬢になるには何かしらの理由がある。
「最初のきっかけはホストでした」
そう話し始めた木崎真奈美さん(仮名・40歳)、見た目は普通の主婦という雰囲気だが、彼女は現役の風俗嬢だ。10年前、普通の会社員として働いていた彼女に一体何があったのか。
「はじめてホストクラブに行ったのは29歳のとき。ホストがメディアによく出ている時代で、あるテレビ番組に出ていたホストに一目ぼれしたんです。彼は店のナンバー1で、指名しても10分程度しか席に着かないほど。それでも、店が暇なときに店に呼んで長く席に着いてくれたり、OLだった私の財布事情に合わせて最低料金でいいよと言ってくれたりする優しい人でした」
売上ナンバー1なのにガツガツしていない彼に、ホストって意外と優しいんだなと真奈美さんは思ったという。だが、転機が訪れたのは指名して1年ほど経った頃だった。
「そのホストの彼が突然、店をやめたんです。やめた理由は詳しく教えてくれなかったけれど、結婚して地元に帰ったという噂を聞きました。それまで何も熱中できるものがなかった私にとって、彼は仕事の活力にすらなっていた存在。ポッカリと胸に穴が開いたような気持ちになりましたね」
その日以来、気持ちを埋めるかのように歌舞伎町へ向かい、ホストクラブの初回料金で飲み歩くようになったという。そして、1人のホストと出会った。
「前、指名していた人と顔が少し似てたんですよ。彼はナンバー1とかではなくナンバー5くらいで、接客も前の彼と比べると全然劣るんですが……。それでもすごい年下だったので、応援してあげたいという気持ちになっちゃったんですよね。その気持ちに彼も気づいていたのか、店の代表とともに言葉巧みに営業してきました。それから間もないうちに彼のバースデーイベントをやることになって、80万円近くするシャンパンタワーの約束をしてしまったんです」
当然、そんな大金をOLの真奈美さんに払えるわけがなかった。真奈美さんはシャンパンタワーをツケにして、その後風俗店に足を踏み入れた。
「はじめはOLと掛け持ちでしていたんですが、見た目もずば抜けてかわいいというわけでもない30歳の私が働ける店なんて大衆ソープぐらい。120分コースの報酬は2万円程度でした。夜0時まで働いて眠たい目をこすりながら会社へ行くので、会社の勤務中に居眠りをしてしまうこともありました。何度も勤務態度を注意されるようになり、働きづめで体を壊す前に自主退社しました」
ソープ嬢1本で働くことになった真奈美さんは週5ペースで働いた。当時の月収は100万円近くあったという。
「稼いだお金はほとんどホストの彼に使っちゃいました。私の努力もあり、彼は無事ナンバー1になることができました。でも、ナンバー1になって私がお金を使うことが当たり前のようになった彼の態度に、急に気持ちが冷めちゃったんですよね。それに、ナンバー1になるまでは頑張らないと! と思っていたのですが、いざなってみるとどうでもよくなっちゃって……(笑)。それからしばらくして、ホストには行かなくなってしまいました」
年下ホストを応援するために足を踏み入れた「風俗」
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東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano
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