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66歳以上も働ける企業はどこ? 高齢者向けの仕事はやりがいがない!?

 あなたは自分が70歳まで働く姿を想像できるだろうか? 人生100年時代といわれる今、もはや悠々自適な引退生活など、遠い過去のものになった。 [70歳まで働く]超実践ガイド

雇用延長は「国からの義務」でやってるだけ?

 多くの現役社員が利用する雇用延長の制度はどうなっているのか。’13年4月から実施された「高年齢者雇用安定法」により、企業(従業員31人以上)には65歳まで雇用する「雇用確保措置」が義務づけられている。  それによって企業は具体的に「定年制」「定年年齢の引き上げ」「継続雇用制度」のいずれかを選択しないといけない。  ただ、厚労省の調査によれば8割が「継続雇用制度」を選んでいるのが現状だ。そのうち、雇用者が66歳以上でも就業可能な企業は27.6%、70歳以上は25.8%、定年制を廃止している企業も2.6%あるという。 「60歳定年制の電通ですら、65歳まで雇用延長しますという呼びかけに対し10人中8~9人は手を挙げていると聞きます」と話すのは、生き方・働き方のサポートを行う「ライフシフト・ジャパン」代表の大野誠一氏だ。 「しかし日本の企業は、雇用延長後に、ワクワクする楽しい仕事があるかどうかや、仕事のやりがいや楽しさ、権限などが延長に合わせて考えられているわけではない。企業側は国からの義務として延長しているケースが圧倒的に多い。残った社員にどのようにして働いてもらうのがいいのか、というのが見えてない企業が多いんです。それが非常にもったいないと感じますね」  働く側がどれくらい貢献できるのか、どのような働き方が楽しくワクワクできるのかという「ロールモデル」をつくることも大切だと話す。 「現状そういったロールモデルが本当に少ないので、皆が知恵を出し合って開発しなければならないと思います。企業も働く個人も実践を重ねることが重要。新しいロールモデルが開発され『こんな働き方がある』という事例がたくさん出てきてほしい。  企業が義務化によってやむを得ず雇用延長している状況に甘えて、単純にぶら下がっているだけの”ぶら下がり人間”が増加すれば、単純に人件費が膨れ上がるだけで日本の生産性は上がりません。  それを防ぐためには、何歳になっても楽しくやりがいを感じて仕事ができるように、個人が何をしたいのか、その人の強みを生かせることを明確化し、それを企業が実現する関係をつくり出していく必要はあるでしょう」
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66歳以上も働ける制度を設けている企業例
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