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高校生のとき「自分はおかしい」と認識した…画家・kokoroの発達障害との向き合い方

 SPA!でも’18年に2度にわたり、大特集を展開した発達障害。その取材をきっかけに生まれた『発達障害グレーゾーン』(姫野桂著)も発売即重版となるなど、大きな反響を呼んでいる。

kokoro氏

kokoro氏

「障害者になれた」からこそ今、僕は夢を叶えられている


 山﨑賢人主演ドラマ『グッド・ドクター』に登場する自閉症の主人公が描いた絵を実際に作成するなど活躍の場を広げる画家のkokoro氏。アスペルガー症候群(ASDの一種)であることを公表しているkokoro氏が発達障害に気づいたのは20歳の頃だという。

「知り合いに指摘されて。まさかと思いながらもネットで調べてみたら、かなり当てはまったんです。その後、医療機関で診断を受けました。小学生の頃から『なんか違う』といつも思っていました。自分はおかしいとはっきり認識したのは、高校生のとき。正直、『人生終わった』と思いました」

 イジメられるようなことはなかったが、友人と話すことができず、常に浮いた存在だったという。今も会話は苦手だというが、その心境は大きく変化したと明かす。

「雑談ができないというのは今でも苦しいです。ただ、大人になると関わる人が決まってくるから、だいぶ楽になりました。仕事で必要な話だけをしています」

 現在は絵の制作に打ち込むかたわら、障害者雇用枠で企業でも働く“二足のワラジ”生活を送る。

「障害者雇用だと、必要以上のコミュニケーションを求められることがありません。気も使ってもらえるし、みんなとお昼ご飯を食べに行ったりとかしなくてもいい。発達障害だと気づかず、グレーゾーンのまま、一般雇用で入ってしまったら、大変だったと思います。適切な距離を置いてもらえるのがありがたいです」

 個展やグループ展が多数開催されるほか、鉛筆とシャープペンシルによる精密なペンシルアートが高い評価を受け、最近では医師やサロン経営者などからの制作依頼も多いというkokoro氏。

「僕の場合は障害者として雇用してもらえているから、絵に打ち込めているという面もあります。いずれは絵で独立したいと考えていますし、抱えている状況は人それぞれだと思いますが、障害を受け入れることでずいぶんと生きやすくなる制度があることは多くの方に知ってもらいたいです」

※ASD(自閉症スペクトラム障害)……相手の目を見て話せない、冗談や比喩が通じないなど、コミュニケーションにおいて困難が生じる。また、特定分野に並々ならぬこだわりを持っている場合もある

【kokoro氏】
「アスペルガー」のフレームから見た世界を細密に描く。規則性と破壊性を併せ持つ絵は冷たい安らぎを与えるとの評価を受ける。ドラマ『グッド・ドクター』に絵画提供

― 発達障害グレーゾーン ―

発達障害グレーゾーン

徹底した当事者取材! 発達障害の認知が広まるなかで増える「グレーゾーン」に迫る





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