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自主規制のパチスロ6号機導入が遅々として進まないのは警察のせい?

パチンコ・パチスロ業界は行政に物言う時がきた

──その余地はいったいなんのためなのか……。型式試験はとうぶんの間、今の形で続いていくんですかね。 POKKA吉田:いやそれが、ちょっと潮目が変わってきたのよ。去年の11月末の風営法議連で、業界団体と警察庁の局長以下と自民党の衆議院議員の有志が集まったんですよ。そこで、ある議員が警察庁の局長にこんな質問をしたのね。「射幸性の抑制がギャンブル依存症対策になると本当にお考えですか?」って。そしたら、警察庁局長がなんて答えたと思う? 「そうは考えてません」だって! 木曽崇:おお、そうなの!? 射幸性の抑制がギャンブル依存症対策になるっていう前提の違和感に気がついたのね。 POKKA吉田:「射幸性の抑制がギャンブル依存症対策になるとは思っていないけれども、射幸性の抑制は内閣官房の強い意向なのでそこは汲んでほしい」みたいなことを言ったって話で。これを議員や業界トップたちの目の前で警察庁の局長が認めたっていうのは、かなりの大転換ですよ。政府のギャンブル依存症対策推進本部のなかで、警察庁は射幸性の抑制をいちばんの生命線にして、自分の立場を守ろうとしてたんですが、その姿勢を捨てた、ってこととほぼ同義じゃん。だから、今後は6号機の型式試験の状況は良くなるはず。 ──射幸性対策を背負わされていたから、今まで型式試験は厳しかったと? POKKA吉田:まぁ、それ以外ないでしょう。 ──警察庁の方針転換によって、型式試験は今後、射幸性対策から解放されていくということですか? POKKA吉田:内閣官房がパチンコ業界に何も言わなくなったわけじゃないので、「解放された」とまでは俺は言いませんけどね。 木曽崇:いや、射幸性を抑えろって話を内閣官房側が本当に言ってるかっていったら、ほぼ絶対に言ってないはずですよ。内閣官房の、ギャンブル依存症対策推進本部は、とりまとめをするのが機能であって、業界ごとの対策については各所管官庁側があげてくものであって、あれしなさい、これしなさいの指令はいっさい出さないんですよ。 POKKA吉田:とすると、方便として「内閣官房の意向」を持ち出したんやろね。 木曽崇:国のギャンブル依存症対策推進本部は、依存症対策基本計画を’19年4月までに打ち出す方針で動いていて、それに合わせて警察庁側は、高射幸機をどんどん削減していくっていう業界対策を前面に打ち出してきたんです。だけど6号機の導入がなかなか進まない現状を鑑みて、もう依存症対策に乗っかるのは厳しいと判断して、ああいった発言になったのかもしれない。 POKKA吉田:なんだかんだ言って、今年の後半は改正規則機がたくさん出てくると思うのよ。もしそうなったら、たとえば’19年の10月末を15%期限に、’20年の6月末を5%期限に、っていうふうに再設定せなアカンよね、スジ的には。 木曽崇:そういう自主規制もいいですが、そろそろパチンコ業界側は、彼らにとって致命傷だった「釘問題・換金・広告」の3つがここ数年でクリアーにされてきたので、業界として胸を張って行政に物を言っていくべきタイミングですよ。 POKKA吉田:木曽さんの意見にはまったく賛成やわ。まだ完全にクリアーとは言い切れないんだけど、業界は是是非非主張してええと思う。風営法の広告宣伝規制違反に罰則つけろ!って俺ずっと言ってるんやけど、罰則ついて警察が本気になれば、むちゃくちゃやってるやつらがどんどん摘発されて、真面目なやつらが生き残っていくやろ。型式試験も現象をチェックするような性能試験ではなくて、設計そのものを直接規制して射幸性を抑制すれば、依存症対策の観点から言ってもひじょうにクリーンになると俺は思う。  グレーな部分が多かったパチンコ業界。その問題がクリアになれば、パチンコ&パチスロのゲーム性も大きく変わるのかもしれない。 構成/松嶋千春、野中ツトム(清談社)
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