『伊勢志摩ミステリー案内　偽りの黒真珠』 Nintedo Switch／フライハイワークス／1000円（税込）／配信中 　もう一本は配信当初にこのコラムでも紹介した、Nintendo SwitchのDL専売タイトル『伊勢志摩ミステリー案内　偽りの黒真珠』。ファミコン期の推理アドベンチャーへのオマージュがふんだんに入った刑事もので、キャラデザは『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ』でおなじみの荒井清和さん！　オリジナル新作ですが、ファミコン世代には感涙モノのタイトルです。 　舞台は三重県・伊勢志摩地域。東京・上野の公園で発見された変死体を追って、主人公の刑事と後輩の開明寺ケンが伊勢志摩へと飛び立ちます。手がかりは被害者が持っていた「浜○真珠」と、一部字が読めなくなった巾着袋。真珠に秘められた哀しい愛憎劇の結末とは……。 　伊勢神宮を筆頭にあちこちの名所を巡り、牛肉コロッケや鮫の干物「さめたれ」といった名物グルメも登場し、雰囲気はまさに二時間サスペンス。ちょっとした観光気分が味わえます。 　当時のファミコン仕様に完全準拠して制作されたというこだわりぶりで、往年の推理アドベンチャーにはお約束の3Dダンジョンも入っています。今となってはほぼ総当たりのシステムやひらがなばかりのテキストなど、もどかしい部分はあるものの、それも含めて30年以上昔のピュアだったあの頃に戻って遊んでみてはいかがでしょうか。「10連休なんて、学生時代以来！」という人も多いのでは？ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン～なつかしゲーム子ども実験室～』（マイクロマガジン社）はゲーム実況の先駆けという声も