更新日:2023年03月21日 15:51
スポーツ

中日ドラゴンズ名勝負ベスト5。星野&落合の黄金期を懐かしむ

主砲・ウッズ、痛烈一閃! 敵地東京ドームで歓喜の胴上げ!! 2006年10月10日 対読売ジャイアンツ戦(9-3)

 この年の東京ドームでの最終戦である。マジック1で敵地・東京ドームに乗り込んだ中日と、なんとしても胴上げを阻止したい巨人との一戦は互いに譲らず3-3のまま、延長戦へ。気づけば、この回無得点なら、中日の優勝は明日以降に持ち越しとなる延長12回へと突入していた。この日の胴上げのために、この回まずは何としても点を取らなければならない中日は、先頭の谷繁元信がライト前ヒットで出塁。  ここから1死満塁のチャンスを作ると巨人のリリーフエース・高橋尚成から3番・福留孝介が執念のセンター前勝ち越しタイムリーを放ってついに勝ち越し。さらに続く4番・ウッズがダメ押しとなる満塁弾を放ってついに優勝をたぐり寄せたのである。     それはかつて1994年と’96年の2度、名古屋で胴上げを許した宿敵についにリベンジの胴上げを見せつけた瞬間でもあった。しかも巨人にとっては東京ドーム史上初となるビジターチームに許した胴上げでもあったのだ。

53年ぶり日本一へ執念の完全継投! 2007年11月1日 対北海道日本ハムファイターズ戦(1-0)


 この前年に1勝4敗で日本一を許してしまった北海道日本ハムファイターズと再び日本シリーズで激突。だが、この年の中日は第4戦を終わって3勝1敗と逆に日本一へ王手をかけていた。本拠地・ナゴヤドームで迎えた運命の第5戦で、崖っぷちの日ハムは絶対的エース・ダルビッシュ有を先発に立てる。このダルビッシュから中日打線は2回裏に7番・平田良介の犠飛で1点を先制。しかしダルビッシュの力投の前にこれ以降、追加点が奪えない。  それでもこの1点を中日の先発・山井大介がダルビッシュを上回る快投で必死に守っていく。8回を終わって1人のランナーも許さないパーフェクトピッチングを展開していたのだ。日本シリーズ史上初の完全試合なるか!9回表の中日最後の守りに熱い視線が注がれていた。   だが、そのマウンドに山井の姿はなかった。中日ベンチはシーズンからの戦い方を貫き、守護神・岩瀬仁紀に最後を託したのだ。期待に応え、岩瀬は日ハム打線を三者凡退に仕留める。継投したことで参考記録扱いながら、ここにどちらも史上初となる日本シリーズでの完全試合、そして完全試合での日本一が達成されたのである。本拠地・ナゴヤドームでの歓喜の胴上げ。それは中日にとっては1954年以来、実に53年ぶりの日本一でもあった。  2011年の落合監督退任以降、長らく低迷が続いている中日ドラゴンズ。だが、与田剛新監督を迎えた今季は開幕からしぶとい戦いを見せている。新時代“令和”での復活に期待したい。<文/上杉純也>
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