そんなサトルが次にハマったのがオンラインゲームだ。 「オンラインゲームでモテ男になりすましたら、あっという間に女の子からメッセージが毎日のように届いて、かなり有頂天になっていました。複数の女性らとメールのやりとりをしているうちに、アラサー女性とデートすることになったんです。その時は歓喜のあまり、大騒ぎをしていましたね～」 　それはサトルにとって、20歳以来のデートだった。ところが待ち合わせした女性が、彼を一目見るなり後ずさりをして、母親にヘルプの電話までしたという。 「ゲームではイケメンなのに、どうしてこんなに気持ち悪いの…」 「サトルから聞きましたが、女性が母親を待つ間、何をしていればいいのか分からず戸惑ったそうです。結局、あらたな女性を発掘するためにオンラインゲームをやっていたらしいですが（苦笑）」 　悲惨な出会いと別れだったが、サトルはその後2か月ほど、その女性を「彼女」と呼んでいた。強烈な失恋経験でどうかしてしまったのかもしれないが、これでは「こじらせてる」どころではない。 　ちなみにそれからもせっせとオンラインゲームでイケメンを装っていたそうで、女性と接点を持ちたいという気持ちはあるのだろう。だが彼に必要なのはまず、会ったときに驚かれないくらいの清潔感を持つことだと感じた。＜取材・文／夏目かをる＞ コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛＆婚活＆結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。ブログ「恋するブログ☆～恋、のような気分で♪」