永福：便利になれば交通量も増える。現状、最大の問題は、東八側から環八に出る環八中の橋交差点の青信号が猛烈に短いことだろう。あの交差点は、この開通に合わせて改良されるはずだったんだけど、警察がまだ様子見してるんだよ。 K：道路ができても、信号を決めるのは警察なんですね。 永福：そう。もはや日本の道路にとって、最大のガンは警察だ。日本の信号制御は、流すことより止めることが目的だから。 K：いやあ、信号で止められるくらい、大したことないですよ！ 道路がないのに比べたら！ 永福：一般道では、国道357号線東行きの東京港トンネルも、この6月3日に開通したんだよ。これで首都高湾岸線東行きの東京港トンネルを先頭にした渋滞が、ある程度緩和されるはずだ。 K：湾岸地区の道路だけに、オリンピックにもダイレクトに関わりそうですね。 永福：これで来年、横浜環状北西線が開通すれば、首都高の建設はほぼ終了する。涙が出るよ……。 K：ところで、東京オリンピック期間中は、首都高を1000円値上げする案が検討されているとか（※6:00~22:00は1000円上乗せ、24:00~4:00は半額、という案）。 永福：まさかと思ってたけど、本当になりそうな雲行きだね。一般車は一律1000円プラスなんて、あまりにも値上げ幅が大きすぎる！ 一般車は首都高を走るなっていうようなもんだ。そこまでやったら逆に一般道がパンクして、首都高はガラガラでも降りたら動きません、みたいなことになりかねない。 K：どこが一番混みそうですか？ 永福：環七と環八だろうな。 K：またしわ寄せは環八の外側の住人に来るわけですか……。 永福：まあ、オリンピック期間中だけの話だから許せるが。期間中、都内をクルマで移動するのは絶対やめたほうがよさそうだ。 K：そう思わせるのが狙いですかね。 【結論】 さすがオリンピック。オリンピックとは直接関係ない多くの道路までもが、オリンピックまでの開通が目標となり、この6年間で首都圏の道路建設は大いに進捗した。道路マニアとして、オリンピックに心から感謝であります！1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中