新型日産スカイラインの手放し運転はヒットしないと考える理由
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
7月17日の新聞各紙には、「新型スカイライン 高速道 手放しOK」(朝日新聞)といった見出しが躍った。新型車の発表が一般紙でこれほど大きく扱われるのは珍しい。
「手放し運転ができるのは高速道路の同一車線を走行する場合。速度を設定しておけば、ハンドルやアクセル、ブレーキといった操作を自動で行う。車内の赤外線カメラでドライバーが前方を注視していることが確認されれば、ハンドルから手を放した状態でも走り続ける。ドライバーが目をそらしたり閉じたりし続ければ、警報音を鳴らす。それでも目線が戻らないと、ハザードランプを自動でつけ、少しずつ減速して停止する。」(朝日新聞)
実は、メルセデスベンツやボルボ、テスラなどのレーンキープアシスト機能付きのクルマも、高速道路に限らず、ACC(自動前車追従機能付きクルーズコントロール)をONにすれば、事実上手放し運転がかなり可能だった。ただ、一定時間以上ハンドル操作をしないと、「ハンドルを操作してください」という警告が出て、それも無視し続けると自動状態が解除されるので、たまに少しだけ動かしてやる必要があった。つまり、ハンドルから手を放しちゃいけないけど、一定時間はできちゃう、というものだった。
自動運転の実現をみんなが望んでいるという思い込み
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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