更新日:2023年03月28日 10:46
エンタメ

ネットでバズる“せやろがいおじさん”を直撃! 年金制度をぶった斬って400万回超再生

“せやろがいおじさん”は漫才コンビのツッコミ!

 こうして沖縄での活動を始めたリップサービスだが、芸能界の厳しさ、そして榎森さんにとっては、慣れない土地ゆえの苦労も数多くのしかかったという。 「奈良から沖縄へ移住してから、たった一年ちょっとでお笑いを始めたので、最初の頃は沖縄独特の方言の意味が全くわからなかったんです。でもライブだと相方は方言でバンバンボケてくるので、正直な話、『これは…多分ボケているな?』と勘でツッコんでいたこともしばしばありました(笑)。あと当然ですが、沖縄は気温がスゴく高いんです。当時、初めてレギュラーのお仕事をもらえて喜んでいたんですが、詳しく聞いてみると全身着ぐるみでの出演で、外ロケも多く、毎回汗だく・ビチャビチャでしたね……」
 慣れない環境での体力的な厳しさは相当なものだったようだ……。榎森さんは続けて、芸人ならではの極貧エピソードも聞かせてくれた。 「沖縄の芸人は、M-1グランプリの予選を本土まで受けに行くんですが、往復で5万円ほどかかるので、大滑り&敗退して帰ってくるときの切なさは相当です。一度、帰りの便が台風で欠航になり、慌てて取り直したら片道4万円くらいかかってしまい、しばらく極貧生活を送っていましたね」  そんな二人だが、もちろん苦い思い出ばかりではない。琉球朝日放送(QAB)主催のお笑いコンテスト「お笑いバイアスロン」で数度に渡って優勝を勝ち取っているのだ。 「沖縄の大会で辛酸を舐め続けていたので、初めてこの大会で優勝したときは、お笑い人生で一番! というくらいうれしかったです。とはいえ、それで仕事が激増するわけでもなく、どうすれば……という葛藤も増えました」
リップサービス

じつは「リップサービス」というお笑いコンビ

YouTubeチャンネル用のいちキャラクターだった…!

 賞レースで勝ち続けられるほどの実力派コンビとして評価されるようになっていったリップサービスの二人。しかし金銭面で“食っていけない”という死活問題に直面し始める。 「お笑い的なアプローチでありながら、なんとか食っていける方法はないかと悩んだ末に、『ワラしがみ』というYouTubeチャンネルを開設したんです。笑いにしがみつく、という意味を込めてつけたチャンネルで、同じオリジン・コーポレーションの芸人仲間も所属しているグループです」  この『ワラしがみ』チャンネルのなかでは、数あるキャラクターたちが生まれてきた。そしてそのなかで一際抜きん出た人気を獲得したのが、今話題の物申し系おじさん、“せやろがいおじさん”だったのだ。 「正直、始めた当初はなかなか『ワラしがみ』の登録者数は増えませんでした。なので、何が原因か考えたときに、このチャンネルの認知度をそもそも高めないといけないと思ったんです。そこで、SNSでバズるような時事ネタを扱った“せやろがいおじさん”というキャラクターを思いついて、人気をいただけるようになりました」  ――こうして誕生した人気キャラ“せやろがいおじさん”。今後は彼の漫才師としての一面にも注目していきたい。<取材・文/A4studio>
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