更新日:2023年03月28日 10:47
エンタメ

松本人志に物申した過去も…“せやろがいおじさん”が社会問題に切り込むワケ

芸人の大先輩・松本人志にも物申したそのワケ…

 政府の政策や芸能人の反響を呼んだ発言などにも、忌憚なく意見を述べるのが痛快な彼の動画。だがセンセーショナルなタイトルやサムネイルに反して、観てみるととても丁寧にテーマについて調べていたり、発言内容も意外と丁寧だったりする印象がある。そうした動画制作でこだわっていることはあるのだろうか。 「動画投稿はあくまで“お笑い芸人”としてやってるので、必ず笑いのポイントは入れるように心がけています。扱いたい話題があっても、おもしろポイントがどうしても作りづらいネタの場合は、悩んだ末に作らずに諦めることも結構ありますね。あとは、自分の意見が100%正論とは思わないようにしてます。常に異論を受け入れる余地を持ち、自分の考えを柔軟に更新していけたらと思っています」  くわえて、動画を観た後のことまで考えて制作しているという。 「汚い言葉は極力使わないようにしていますね。そういう言葉が入ると、観た人のネガティブな感情をかきたてて、コメント欄やSNS上で悪口合戦になってしまうこともありますから。おまけに、そうしたやり取りを見た人が、この問題について語ったらボロクソに言われるから黙っとこう……と口を閉ざし、広めるべき問題が“腫れもの化”して、認知が広がりにくくなってしまうからです」
 こうした配慮を欠かさずに動画を作り続ける榎森さんだが、なかにはお笑い界の大御所に物申した内容もあり、動画自体のキレもなかなかのものだ。ダウンタウンの松本人志さんのワイドショーでの発言を受けて制作された、『松本人志さんの「死んだら負け」発言に一言』という動画。こちらは同じお笑い芸人として、どのような気持ちで制作を決意したのだろうか。 「もちろんぼくレベルの芸人が恐れ多いという気持ちもあったんですが、でも作りたかった動画は松本人志さんをディスる内容ではなく、ぼくなりの提案を込めた内容だったので、遠慮する必要はないかな、と。周りからは、干されるぞ、と言われたりもしたんですが、そもそも仕事もなく、すでにカピカピだったので、ある種、開き直り的な気持ちもあったかもしれませんね(笑)」
せやろがいおじさん

『年金制度の限界を認めたお偉いさんに一言【せやろがいおじさん】』というタイトルのYouTube動画が420万回以上再生された

“せやろがいおじさん”が目指す今後の野望…!!

 高い注目を集めている“せやろがいおじさん”だが、彼を演じる榎森さん、そして漫才コンビ・リップサービスは、今後はどのような野望を持っているのだろうか。 「とりあえず今は、“せやろがいおじさん”というキャラクターが、社会で起きているいろんなことを知るきっかけとして機能したら嬉しいなと思います。そして、リップサービスで全国ツアーをやっているので、それを成功させたいというのが、近いところでの目標ですね。大きな目標としては、地上波のテレビで活躍することでもありますが、それはもうご縁なので大きな期待はせずに、自分でできる発信や活動をがんばっていきたいなと思います!」
 ――話を聞けば聞くほど、その格好に反して“ちゃんとしたスゴい良い人”という印象が湧いてこないだろうか。お笑い芸人としてしっかり笑いも取りつつ、社会問題についても真面目に取り組み、きっちり人気も獲得することは、なかなかどうして簡単なことではない。“せやろがいおじさん”、そしてリップサービスというコンビの実力が伺えるというものだろう。<取材・文/A4studio>
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