更新日:2021年09月13日 10:51
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東京で浸水しやすい区は? 夏の大雨で水没の危険も…

首都が水没する日

明日は我が身の心構えで日頃から水害の対策を

 行政が対策を講じる一方で、茨城NPOセンター・コモンズの代表理事を務める横田能洋氏は、「自主防災の取り組みも必要」と訴える。’15年9月に発生した関東・東北豪雨で被災した横田氏は、「指定された避難所が、準備不足で開設されていなかった」と憤った。 「高齢の両親を連れて遠くに避難するのは大変ですし、周囲の住民もほとんど家に残っていたので、いざとなれば2階があるからと自宅にとどまりました。結論から言うと、この判断は失敗でした。周囲はあっという間に水に囲まれ、車が動かせなくなり、翌朝にはライフラインがストップしました」  幸いにも、自宅は床下浸水で済んだうえ、近くを通りかかったボートに救助されたことで横田氏一家はことなきを得た。だが、対策本部が置かれた常総市の市庁舎が冠水して孤立するなど、住民だけではなく、自治体の危機管理能力の低さも浮き彫りに。横田氏は地域住民と協力し、避難所の整備や避難地図の作成、避難訓練を実施するなど自主防災の取り組みを推進。体験をもとに「豪雨災害に備えるガイドブック」も公開した。 首都が水没する日
首都が水没する日

水害で1階部分が浸水した横田氏の事務所。「パソコンなどの電気機器もすべてダメになった」と同氏は肩を落とした

「特に役に立った防災グッズは、災害用のトイレキット。近所の方にもとても喜ばれました。また、避難するときは、下水の逆流に備えてトイレにタオルなどを詰めておくといいですよ。玄関をブルーシートや土嚢で覆うと、浸水を多少は止めることができました。被災後は、罹災証明を申請するために、浸水位置がわかる写真を残しておきましょう。ボランティアが来る前に、捨てられると困るものだけ整理しておくのも重要です」  水害に巻き込まれたとき、生き残れるかどうか、再建に向けた好スタートが切れるかどうかは、自らの備えと行動にかかっている。
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関東以外で危険な地域は…
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