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東京で浸水しやすい区は? 夏の大雨で水没の危険も…

 気象庁によると、1時間に50mm以上の大雨が降る可能性は’70~’80年代に比べて3割増加している。1時間に50mmの大雨は、東京が水没する危険なラインだ。迫り来る首都水没の恐怖を解き明かす。 首都が水没する日

経済被害は合計115兆円、395万人が避難の予想も

 停滞した梅雨前線が活発化し、鹿児島県と宮崎県で記録的な雨量を観測した7月上旬の九州豪雨。20日には大型の台風5号の影響で、長崎県を中心に再び九州で大雨の被害が広がった。そして24日には、栃木県で1時間におよそ120mmの猛烈な雨が降り、気象庁は「記録的短時間大雨情報」を発表して注意を呼びかけた。わずか1か月の間に、日本各地で猛威を振るう大雨による被害。 「いずれ東京でも、大雨による大規模な水害が起こるでしょう」と警鐘を鳴らすのは、都庁で長年防災事業に従事し、現在も災害対策に取り組んでいる公益財団法人リバーフロント研究所の土屋信行氏だ。 「特に満潮時の水位よりも低い、海抜ゼロメートル地帯が広がる江東5区(江東区、江戸川区、墨田区、足立区、葛飾区)は危険です。長雨で荒川や江戸川が氾濫して堤防が決壊した場合、ほとんどの場所が浸水してしまいます。また、’47年に発生して大規模な被害をもたらしたカスリーン台風のように、上流で決壊した水が下流の地域に流れ込む可能性もあります」  雨による水害は、洪水だけではない。東京ではスーパー台風による高潮の被害も予想される。’18年に土木学会が発表した試算によると、東京湾で巨大な高潮が発生した場合、経済被害は合計115兆円にも上るという。また、東京都は’18年、想定最大規模の高潮が襲来すると最大水深が約10mに達し、浸水が想定される区は23区中17区に及ぶと公表。17区で暮らす395万人が、避難を余儀なくされる可能性もあるのだ。
洪水浸水想定区域

※地図上の洪水浸水想定区域は、国土交通省の「重ねるハザードマップ」を参照して作成。地図の薄い色の場所は3m以下、濃い色の場所は3m以上の浸水が想定される

「危険なのは東東京や湾岸部だけではありません。東京は1時間の雨量が50mmを超えると、排水が間に合わずに水が地上に溢れ出してきます。いわゆるゲリラ豪雨が発生したときに危ないのは、河川の上に道路を造った暗渠(あんきょ)のある場所や谷になっている場所。具体的に言うと、渋谷の駅前は近寄ってはダメ。地下から水が溢れ出すうえ、高い場所から水が流れてきて水位が一気に上昇します」(土屋氏)  さらに土屋氏は、小さな河川や多摩川沿いに暮らす人々もゲリラ豪雨に注意が必要と続けた。 「小さな河川は、短時間の大雨で溢れる可能性があります。また、多摩川は流れが急なので、ゲリラ豪雨で増えた水が一気に海へと流れていく恐れがあります」  浸水が想定されるエリアは、区や市が公表しているハザードマップを見ると一目瞭然だ。海抜ゼロメートル地帯が広がる江戸川区は、5月に改定したハザードマップの表紙に「ここにいてはダメです」という言い回しを使って話題になった。
江戸川区ハザードマップ

江戸川区が11年ぶりに改定したハザードマップ。荒川と江戸川の洪水の被害に加えて、高潮の被害や、浸水想定時間が追加された

 同区の危機管理室防災危機管理課の本多吉成氏は、「リスクを正しく知ってもらい、正しい認識のもとでご自身の命を守ってもらうため、表紙は区民にわかりやすい表現にしています」とその意図を教えてくれた。 「江東5区で協力し、早めの広域避難を呼びかけています。現在は国や都の動きも加速し、広域避難先の検討も進めています」(同)
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明日は我が身の心構えで日頃から水害の対策を
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