更新日:2023年04月13日 01:52
デジタル

世界中で「進化版ゲームボーイ」が続々開発される…なぜ今?

ゲームボーイでスーファミのソフトをプレイ!?

 ゲームボーイの外見そのままに、中身を進化させていろいろなソフトをプレイしてしまおうという試みも存在する。最も有名なものは『ゲームボーイゼロ』である。これはゲームボーイ発のソフトはおろか、スーパーファミコンのソフトもプレイ可能という代物だ。
etsy

画像は、Etsyより

 ただしこのゲームボーイゼロ、端的に言えばマニア向けの製品である。部品や基盤等の組立キットを自分で工作しなければならない。これを家内制手工業でできる世帯は、そう多くはないだろう。  ところが調べてみると、このゲームボーイゼロを完成品の状態で販売し、なおかつ日本への配送に対応している海外の業者があるという。それがショッピングサイトEtsyに製品を出展しているCastFXである。ボタン個数や本体カラー等のカスタマイズも請け負っていて、製品を購入したユーザーからの評価も高い。

最大5人でプレイ可能!

 これに負けじと、他の業者も「ゲームボーイ改」を市場投入している。クラウドファンディングKickstarterに『RetroStone』という製品が公開されたことがある。これもまた見慣れたデザインの携帯ゲーム機だが、何とUSB差込口が4つも搭載されている。これにコントローラーを接続し、最大5人でプレイができるという仕組みだ。  今でこそ5人プレイの何がすごいんだと思われるかもしれないが、かつてのゲームボーイでは無理だったのだ。
kickstarter

画像は、Kickstarterより

 また、RetroStoneにはHDMI端子も内蔵されている。テレビと接続し、大画面でゲームを楽むことも可能。というより、多人数プレイではテレビが欠かせない。  ここまで挙げた製品は、いずれも数年内に発表され、世界中で話題になったものである。気になるのはゲームボーイに関する任天堂のパテント(※特許)の問題だが、今のところは訴訟等は起こっていないようだ。もっとも、このあたりは今後も注視する必要がある。  ゲームボーイと共に育った世代、具体的に言えば1990年代に小学生だった人々がモノづくりの世界に影響を及ぼし始めている。<文/澤田真一>
ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー
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【参考】 Behance, Etsy, Kickstarter
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