デジタル

世界中で「進化版ゲームボーイ」が続々開発される…なぜ今?

 携帯ゲーム機の元祖、ゲームボーイ。若者たちは知らないかもしれないが、30代以上であれば懐かしく思うだろう。そんなゲームボーイを彷彿させる携帯ゲーム機が今、世界で続々と開発されようとしているらしい。いったい、なぜなのか?
ゲームボーイ

画像は、『ゲームボーイパーフェクトカタログ』(ジーウォーク)の表紙

ゲームボーイ世代が大人になり…

 30代の筆者は、まさにゲームボーイ世代の子である。あの四角く分厚い箱の中には、無限大の夢が詰まっていた。外にいながらゲームができる。これほど胸ときめく事象はない。もっとも、ゲームボーイ以前からゲームウォッチのような携帯ゲーム機は存在したが、これは予め本体ROMに内蔵された1本のゲームしかプレイできない。しかし、ゲームボーイは友達が持っているカセットを挿して遊ぶことができた。  当時、周囲の大人たちは「最近の子供はメンコやベーゴマで遊ばなくなった」と嘆いていたが、そんなことはどうでもよかった。楽しかったのだから、それでいい――。  1989年に発売されて以来、全世界で1億台以上も売り上げたゲームボーイ。  世界中に輸出されていた製品だから、少年時代の筆者と同じ味わいを覚えていた者は各国に存在する。現在、その少年たちが30代になった。30代と言えば、想像力も行動力も絶頂の時である。かつて憧れていたゲームボーイをリメイクしよう、と試みるプロダクトデザイナーがここ最近目立つようになってきた。  BehanceというSNSがある。これはクリエイターに特化したプラットフォームで、正直一般人にはあまり縁のないものではある。が、このBehanceにこんなプロダクトが登場した。ゲームボーイをベースにした携帯ゲーム機『Flex』だ。
Flex

画像は、Behanceより

 デザイナーのYJ Yoon氏は、子供の頃にクリスマスプレゼントでゲームボーイをもらったとのこと。それ以来のゲームボーイファンだが、同時にゲームボーイの要改良点も熟知しているそうだ。  まず、Flexには本体からの突起部分がない。ボタンですら、本体に埋め込む形の設計だ。そしてゲームボーイはプレイヤーの右手にスピーカーが隠れてしまうという構造的欠点があったが、Flexではそれを本体上部に設けることで解決している。  オリジナルのゲームボーイと比べると、かなりスリム化されたデザインであることがよく分かる。このFlexは現状販売されている製品というわけではなく、あくまでもBehanceで公開されている構想に過ぎない。だが世界中のユーザーから製品化を希望する声が相次いでいる
次のページ right-delta
ゲームボーイでスーファミのソフトをプレイ!?
1
2
【参考】 Behance, Etsy, Kickstarter
おすすめ記事
ハッシュタグ