「カワノさん、全然下調べしてないじゃないッスか……」 　呆れる鈴木氏に助けられながら、券を払い戻しに行く私……。幸い、賭けていたレースはまだ始まっていなかったので払い戻しをすることができたのですが、もう、滝汗ですよ。窓口のスタッフにも助けられながら、どうにか馬券を買い直すことに成功。ちなみに第2レースはいつの間にか終わっていたので、第3レースの「單T」（3連複）に。購入したのは1番堅そうな1=4=5。これが吉と出るか……。 　ビールを飲みながらレースが始まるのを待つ。だが、待てど暮らせどレースは始まらない。え……、こんなに時間かかるもん？　結局、馬券を購入してから馬が出てきた頃にはかなりの時間が経っていた。「1レースしか見れなそうだからもう少し突っ込んでも良かったね～」なんて会話をしつつ、レーススタートッ！ 　う、う、馬が多すぎてどれがどれだか分からない！　ボートに慣れきっていたため、もうどれがどの馬かまったくわからなくなり、軽くパニック。モニターを見てみるも順番が入れ替わりすぎ！　私が賭けた1,4,5は……おお、結構イイとこまで来てる！　特に1番！　がんばれぇーーーー！　だが、結局1番は抜かされて、結果は10-4-1と大惨敗したのでありました……。 　あー、20ドル以上賭けなくて良かった……。先ほどの自分の発言などすっかり忘れ、さぁ帰ろうとしたところ……。 「あ、私当たってるわ」 　……!? 　なんと鈴木氏、「位置」という3着以内に入る馬を1頭当てればいい馬券を購入していたのです！　何、その羨ましいシステム！　ボートにはナイわよ！（※ボートには2着以内に入る挺を当てる複勝というものがありますが……）さっそく払い戻しをする鈴木氏。日本円にして約100円ほどのプラスでしたが……、でもイイじゃない！　1円でも勝つことが大切なのよ！ 　結果、20ドルしか賭けられなかったけれど、めちゃくちゃ楽しかった。もうね、競馬場にいるだけでもテンション上がる。このためだけにまた香港に来たいくらい。ハッピーバレー競馬場のナイター『Happy Wednesday』、本気でおすすめですよ！　＜取材・文／カワノアユミ＞東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在は夜の街を取材する傍ら、キャバ嬢たちの恋愛模様を調査する。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』（イーストプレス）が発売中。X（旧Twitter）：＠ayumikawano