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台風被害が深刻な武蔵小杉のタワマン。資産価値下落は本当か?

総合開発ができていないことが影響か…

 筆者が以前、武蔵小杉エリアのタワーマンションの課題として挙げたのは、過剰とも言える常設設備がある物件、価格差があり過ぎて入居者の経済(観念)格差が大きすぎる物件、そして周辺地域の開発が単発的であるという3点。だが、武蔵小杉エリアのタワーマンション全体を否定するものではなかった。  この中で今回は、3点目の総合開発が出来ていないことが少なからず影響したと思っている。駅前に限らず広範囲の開発行為の際には、ばらばらに建築させては総合的な街の機能や安全性が確保できないということだ。  現代は、SDGsという「持続可能な開発」目標を世界が掲げる時代である。この武蔵小杉駅前の規模の開発であれば、大手数社が連携したうえで、少なくともどこか一社が旗振り役となって、安心安全・健康快適で持続可能なまちづくりを描く必要がある。それが出来なかった、それを呼び込めなかったことは実に残念である。  しかし、今後は周辺の既存の街並みと融和しながら、今からできる安心安全なまちづくりに、住民と行政の一体となっての取り組んでいくだろう。それを考えると、筆者が指摘した課題を克服する日も近いのではないだろうか。<文/古川博之進>
タワマンに住む会社員。不動産業、マンション理事長の経験を元に主に不動産業界のテーマを執筆。年100回開催経験から合コンネタも扱うが、保護猫活動家の一面も持ち合わせている。
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