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買って住みたい街1位、勝どきのタワマンは買ってもいい?管理の質で見極める

 2月9日、LIHULL HOME’Sによる2021年首都圏に於ける「住みたい街」ランキングが発表された。「2020年に掲載された物件のうち、実際の検索・問い合わせ数から算出した“実際に探されている街・駅”のランキング結果」として、「買って住みたい街」の第1位は、昨年に続き「勝どき」が首位を飾ることとなった。 勝どき 今回は、そんな勝どきの、特にタワマンに手を出すことの是非について触れてみたい。

「勝どき」のタワマンは割安?

 勝どきは、大江戸線開通を皮切りに、早々にタワマンの供給が進んだエリアであり、駅直結を最大の魅力とする「勝どきビュータワー」や、2棟建てでおよそ3000戸を抱える大規模の「ザ東京タワーズ」など、有名な物件がすぐ頭に浮かぶ。どちらも少し離れたところからでも目視で確認できるため、街のシンボル的なタワマンの存在価値を十分に発揮していると言えよう。  まずはこれらのタワマンを、価格(初期購入費用)の面から見てみよう。  タワマンというだけで資産価値は高めとされるのだが、何より東京都の中央、中央区である。土地の資産価値も加味されるゆえに、総額はけして安いとは言えない。しかし“都心3区”の中で比較してみればどうだろうか。トップの港区は平均坪単価430万円、千代田区は同420万円であるのに対し、中央区は同350万円。勝どきの物件(ほぼタワマン)に絞っても370~400万円となっている。  千代田区はそもそもの流通件数が少ないため物件同士の比較は難しいが、港区の代表とされる六本木へは大江戸線で直通でありながら、六本木には無いオーシャンビューを備えての単価と考えれば、割安感があると言えよう。まだ開発・供給が進行中なため、新築物件の動向は分かりかねるが、中古物件であれば、そこそこの価格で入手できるチャンスかもしれない。

管理業者が機能していないタワマンの見分け方

タワマン 続いてメンテナンスや管理の面から見てみよう。 「マンションを買うなら管理を買え」という格言を一度は耳にしたことがあるだろう。長く住まう以上はメンテナンスが不可欠であり、そのためには修繕計画をはじめとする管理の問題ははずせない。勝どきの既存のタワマンは、2000年半ばから出回り始めたものが多く、つまりは築10年を超えてくる頃なので、20年目までの大規模修繕の計画がしっかり立てられているかは重要なポイントである。  国交省は、4割弱が「修繕積立金の不足するマンション」に該当すると発表している。低層や中層ならともかく、足場を組めないタワマンの保全には相当な費用の準備が必要なのは言うまでもない。分譲当初のシミュレーションは販売時の足枷にならぬよう見た目重視で作成しているため、初期の修繕積立費は低く設定されている。もちろんこのままでは将来的に不足してしまうため、7~10年目を目安に修繕積立費を大幅に値上げしていくことが大前提となっているのだ。  また、きちんとした計画が立てられているだけでは安心とは言えない。管理業者(管理組合)の活動内容をしっかりと確認しておくことも必要だ。戸数の多さ=組合員数の多さでもある為、全体をうまくまとめきれていない管理組合も存在する。それは、例えば、規約の徹底具合などに反映されてくる。  勝どきに於いてもタワマンはランドマーク的意味合いが強く、外観をきれいに保つことも要求されがちで、洗濯物をベランダに干すこと禁止しているケースが非常に多い。しかしこのような規約があるにもかかわらず、低層階や中層階に干された布団が視界に入ってくるような物件も散見される。これは現地へ実際に赴いてみればすぐに分かることでもあり、そんな物件では、先述の管理組合や委託している管理業者がうまく機能していない可能性が高いと言える。
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管理の不徹底は費用面にも悪影響を及ぼす
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