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郊外に住むならどの駅がオススメ? 借りて住みたい街1位は「本厚木」だけど

 先日、LIHULL HOME’Sによる2021年首都圏に於ける「住みたい街」ランキングが発表された。“実際に検索された街・駅”のランキング結果として、「借りて住みたい街」の第1位は本厚木。以下、大宮や池袋が5位以内に入る一方で、葛西や八王子、蕨や柏が10位以内に食い込む結果となった。 本厚木 これまでは当たり前に都心集中が進んできわけだが、コロナ禍による在宅勤務やテレワークの普及もあり、郊外エリアが注目された結果とも言える。この流れに乗って住み替えを検討するに際し、注意するのはどのようなことだろうか。

「ネットの通信環境」は大丈夫?

 当たり前のことだが、本来の目的である“在宅勤務のための環境整備”を忘れないことである。ただ郊外で伸び伸びとした暮らしを満喫したいのであれば、まず検討すべきはライフプランや転職等のはず。今の勤め先で、出社回数を控えて在宅勤務の割合を増やすという目的であれば、家の中にも快適に仕事に取り組める環境を求めねばならない。
テレワーク

写真はイメージです(以下同じ)

 まず必須とされるのは「ネットの通信環境」が挙げられる。  都心に比べて長期間空室が目立つような郊外では、差別化のためにWi-Fiを整備する物件も少なくはない。募集業者からの提案を受けて採用してくれたオーナーの物件が、あなたの希望するエリアで運よく見つかったのであればそれで問題はないかもしれない。しかし多くの場合は“集合住宅仕様”となっており、他の住人の使い方次第で速度は落ちかねない。誰もが在宅勤務に流れる中では、やはり自分専用の回線を用意できるにこしたことはない。気兼ねなく利用するために自室への有線引き込みがベストであり、それが可能であることを、事前に管理会社を通じて確認しておきたい。  勤め先によっては、会社支給のルーターを持たされている場合もあるだろう。羨ましい話だが、その場合も、契約会社のカバーするエリアに、あなたが検討している駅周辺が含まれているかの事前確認を怠ってはいけない。また、郊外に多く見られる新幹線や高速道路の沿線では、ルーターのWi-Fiは不安定になることも注意しよう。郊外には少ないかもしれないが、内廊下物件や高層階、あるいは周囲に高層ビル・高層マンションがある場合も、同様の注意が必要である。

テレワークをするなら木造住宅は論外

 さて、ネット環境を整えたとして、Web会議やアイデア出しの業務を行う「作業環境」も整備を要する。ここでの注意点は2つ。集中して作業できる“静かな住環境”であることと、生活環境とは別に“物理的な作業スペースを確保できる広さ”があることだ。  Zoomの利用中に、電車の走る音や下校中の子供たちの声が響いて、音声が聴き取りづらくなるのをこの一年で何度かは経験されたのではないだろうか。その場凌ぎで押し入れやクローゼットの中に逃げ込んでも、到底長く続けられるものではない。幹線道路や線路沿いの物件、小学校や幼稚園に隣接する物件はやはり避けておきたいものだ。  音の対策としては、周辺環境以外に建物自体の遮音性能も鑑みて、最低でも鉄骨鉄筋かメーカー施工のものを選びたい。木造は(賃貸に限れば)論外だし、ツーバイフォーでも太鼓のように音が反響しやすいため、できれば回避したいところだ。当然ながら、事前の内覧で上下左右の生活音を確認しておきたい。  こうやって絞り込んでも、まだ集中する環境には物足りない。人の意志の力は思うほど強くはない。椅子の真後ろにベッドがあれば「ちょっとだけ」のつもりで横になってしまうのは目に見えているし、生活にメリハリをつける意味でも、やはり寝室以外のどこかに作業スペースを確保したい。小さくともPC作業や読み書きが可能な机を置けるだけの空間的な余白を想定して部屋を探そう。間取り図に、正しい縮尺で家具配置をイメージするときに、小さな机を置くことでこの問題は解決できるだろう。
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郊外に移住するなら…不動産のプロがオススメする駅はどこ?
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