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『ドラクエウォーク』人気に潜む3つの懸念。真の覇権ゲームになるには…

懸念その2:戦闘・シナリオ展開のマンネリ化

『ドラクエウォーク』の根幹は旧来型のコマンド式RPGです。アクションやパズルゲームと異なり戦闘自体に強い爽快感はなく、プレイが上達していく面白さも薄いのがややネックです。キャラがレベルアップしてもそれを上回る強敵が出てくるインフレシステムのなかで、どこまでユーザーのモチベーションを保てるかは手腕が問われます。

戦闘は「こうげき」「スキル」「どうぐ」などを選ぶコマンド式

 配信中の全5章のシナリオをすでにクリアしたというユーザーも多く、今後新シナリオをマンネリ化させず、どう提供していくのかも注目点。コマンド式戦闘を懐かしの古き良きスタイルと考えるか、旧来型のシステムととらえるかで『ドラクエウォーク』の評価も大きく変わってくるでしょう。

懸念その3:リアルイベントの混乱

『ポケモンGO』は、スポンサーイベントや地方自治体と組んでの大規模なリアルイベントも人気です。『ドラクエウォーク』もいずれはこうしたイベントを開催する可能性は高いですが、その際に起こるトラブルも懸念材料のひとつです。  すでに各都道府県でおみやげを4ヵ所集める「ご当地クエスト」システムに関して、ランドマークに設定された新潟のお寺で「アイテム入手目的のみの、無断入山及び返金等のお申し出には応じません」との掲示があったというツイートが話題になりました。 「ご当地クエスト」はウォーキングゲームである『ドラクエウォーク』にとって、新たな展開の種になりうる重要な仕掛け。現実世界とリンクさせることで『ドラクエウォーク』のアイデンティティはさらに強固になりますが、そのぶん起きるであろうトラブルとどう向き合うかは悩ましいところです。

各都道府県に4ヵ所設定された観光地へ行くと「おみやげ」がもらえる

 スタートダッシュに成功し、覇権タイトルへの道を歩みつつある『ドラクエウォーク』。大きなポテンシャルを持っているのは間違いないでしょう。2年後、3年後も安定的な人気を維持し、ユーザーの日常生活の一部となれるか、期待される役割は大きいと言えます。
ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も
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