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ラグビーW杯で日本人の心をつかんだ、アイルランドサポーターのヤンチャぶり

 ラグビーワールドカップ日本大会が、もたらしたのは一過性の熱気ではなく、ラグビーという文化なのだろう。にわかを歓迎し、相手をリスペクトし、その場を皆でめいっぱい楽しむ。そんなスタイルで、特に目立っていたのは鮮やかな緑のユニフォームを着て大挙したアイルランドのファンたちだ。  アイルランドは10月19日の準々決勝で、優勝候補の最右翼である、ニュージーランド・オールブラックスに14-46で敗れ、初のベスト4入りは叶わなかった。

日本人とも交流。いつも陽気なアイルランドサポーター(ローリーさん提供)

 ラグビーをこよなく愛するアイルランド人は、日本の各地で日本人とも交流。一次リーグで対決した静岡では、両チームが対戦した夜、スーパーやコンビニの前の広場で、ともに飲んで肩を組んで歌う集団が全国ニュースに。陽気な緑のグループが、まさにノーサイドを体現して話題を呼んだ。  スーパーではレジで決済する前からビールを飲んだり惣菜を食べてしまうなど(注:欧米では店内で支払う前の飲食が許されている所が多い)、ややもすればトラブルになりかねない行動があったにもかかわらず、どこも平穏そのもの。なぜルールに厳しい日本人をも笑顔にさせるのか。どんなところが日本に愛される所以なのか。アイルランド人と日本人の国際結婚ファミリーに話を聞いた。

同じ島国、素朴な田舎、質実剛健。すぐに歌って踊り出す

家族でラグビーを観戦(ローリーさん提供)

 アイルランド出身の夫ローリーさんと日本人の妻・綾子さんは、お子さん2人と一家でスタジアム観戦に行くほどのラグビー好き。しかも、もう1人のお子さんで高校生の長男はアイルランドで、すでにラグビー部に入っているという。 「一緒に観戦した子供2人は、初めてワールドカップをスタジアムで観戦したのですが、面白くて仕方なかったみたいです。みんなすぐに歌い出すし、ワイワイ好きに楽しめるから」  とにかくアイルランド人は、海外からでもスタジアムや現地パブに集合して、みんなで応援するのが大好き。夫婦は結婚前、日本と開催されたサッカーの日韓ワールドカップもそうだったと回顧する。 「アイルランド人は兄弟が多いんですね。アラフォー世代だと、兄弟姉妹が5~6人以上はざら。今も3人が一般的です。だいたい日本に友人がいるとなれば、泊めてもらおうと兄弟はじめ、いとこまで連れて来日するので、わが家も常にアイルランド人の集団が大会中には出入りする羽目になります」  綾子さんは続ける。「家に押しかけられると大変ですが、憎めないところがありますね。同じ島国という共通点もあるからか、似た部分も多いんです。アイルランドは豊かな自然の国なので、日本の美しい田舎のように、人は大らかで素朴でお酒好き(笑)。英語で言うdown to earthという、質実剛健なベースがあるので、試合での騒ぎ方も迷惑と思った人もいるかもしれないですけど、そう思わせない、不快にさせない部分があると思います」
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試合前に10本以上のビールを飲んで会場入り
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