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『ターミネーター』最新作はシリーズ6作目。わかりづらい世界観をまるっと振り返る

『ターミネーター4』:心機一転、舞台は荒廃した未来戦争に!

 2009年公開の第4作目は、舞台を未来の戦争に置き換えている。主演に、当時大ヒットを飛ばしていた映画『ダークナイト』でもメインキャラクターを務めていたクリスチャン・ベールを据えるなど、キャスティング面で大きな話題を呼んだ作品だ。
ターミネーター

実は、主演のベールはオファーを3回も断っていたという(画像は『ターミネーター4』のDVDより)

 前作のラストで回避できなかった“審判の日”を、なんとか生き延びたジョンは、人類軍で頭角を現し始めていた。そんな折、自身は人間だと言うサイボーグの男・マーカスが15年ぶりに目覚める。記憶喪失になっていた彼が、ジョンの父となる青年・カイルと出会い…というのが、物語の始まり。  監督を務めたマックGによるスピーディーな演出と無骨な未来描写などは、一部評価する声もある。だが、シュワルツェネッガーの出演がCGで数分だけ、舞台が現代ではないといったこともあってか、シリーズ最低の興行成績に。この映画を起点とする新たな3部作構想もあったようだが、残念ながら夢に終わってしまった。

『ターミネーター:新起動/ジェニシス』:舞台はパラレルワールド。設定を刷新した新3部作の1作目が、またしても失敗

 2015年公開の第5作目は、キャストとしてシュワルツェネッガーが本格復帰し、サラ役には大ヒットドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』で知られるエミリア・クラークが据えられた。パラレルワールドを舞台に、独立した新3部作の始まりとして企画された映画だ。
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初代サラ役のリンダ・ハミルトンは3作目から本作までを「記憶に残らないもの」とばっさり切り捨てている(画像は『ターミネーター:新起動/ジェニシス』のDVDより)

 闘争の末、ついに機械軍を追い詰めた人類。しかし機械軍は、第1作目同様に殺人アンドロイドを1984年に送り込む。人間軍の兵士・カイルも、同様に過去へと旅立つが、降り立ったのは知らされていたものとは違う過去だった、というあらすじ。シリーズのオマージュをちりばめつつ、独立した時間軸でシリーズの刷新を図るも興行的に伸び悩み、続編の構想は、再び頓挫してしまったようだ。  ――キャメロン監督の降板以降、興行的な失敗もあり、「ターミネーター」シリーズは迷走を続けてきた。『ターミネーター:ニュー・フェイト』が、この流れを変える一作となるかは、ぜひ劇場で確かめてほしい。<文/TND幽介(A4studio)>
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