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『ターミネーター』最新作はシリーズ6作目。わかりづらい世界観をまるっと振り返る

 映画「ターミネーター」シリーズの最新作である『ターミネーター:ニュー・フェイト』が、11月8日に公開となった。  シリーズ最大のヒット作である『ターミネーター2』の正当続編とされる本作。かつての人気キャラクターであるサラ・コナー役をリンダ・ハミルトンが演じ、28年ぶりにシリーズ復帰を果たしたということで、ファンたちは大いに沸いているようだ。
ターミネーター

画像は、『ターミネーター:ニュー・フェイト』の公式サイトより

 本作を含めて、6本もの映画が製作されている「ターミネーター」シリーズだが、厄介なことに、その時系列は繋がっていない。新作を見るにあたり、混乱してしまうという人も多いことだろう。そこで今回は、複雑な「ターミネーター」シリーズを、一作一作解説していく。

『ターミネーター』:全ての始まり。世界的大ヒットとなったが実は低予算映画!?

 まずは、シュワルツェネッガーの名を世界に知らしめることになった1984年公開の第1作目から見ていこう。
ターミネーター

オーストリア出身のシュワルツェネッガーは、自身の独特の訛りを当時心配していたようだが、結果的に異様な存在感を生み出した(写真は『ターミネーター』のDVDから)

 舞台は1984年のロサンゼルス。近未来で起こる人間と機械の戦争で、人間側の指導者になる男(ジョン)を産むとされる女性・サラを抹殺するべく、殺人アンドロイド・T-800がやってくる。そこへ、サラを守るために同じく未来からやってきた青年・カイルが現れ、激戦を繰り広げる……というのがあらすじ。  後に、『タイタニック』などのヒット作を撮ることとなるジェームズ・キャメロン監督が、ハリウッド映画としてはかなりの低予算と言える640万ドルで作った本作。予算に見合わぬスケールの大きさを感じさせる傑作SF映画だ。

『ターミネーター2』:戦いは終わっていなかった…。シリーズNo.1ヒットを記録した不朽の名作!!

 1991年公開の第2作目は、前述の通り、シリーズでもトップの大ヒットを記録。本作の突出した出来の良さは、その後のシリーズ作にとって、批評面・興行面で立ちはだかる大きな壁となっていく。
ターミネーター

実は、劇中でT-1000に撃ち殺されるメガネのモブは、週刊プレイボーイの記者だった小説家の小峯隆生らしい(画像は『ターミネーター2 特別編』のDVDより)

 そのあらすじは以下の通り。前作から10年後、来るべき核戦争“審判の日”を回避するべく活動をしていたサラは、精神病院に隔離されていた。そんな折、息子のジョンを抹殺しようと、液体金属で構成された新型アンドロイド・T-1000が襲来する。時を同じくして、ジョンを救うための味方として再プログラミングされたT-800が送り込まれてくる…というもの。  ジョン役のエドワード・ファーロングの美少年ぶりや、抜群の恐怖感を誇るT-1000役のロバート・パトリックなど、魅力的な役者が勢ぞろい。アクションに加え、人と機械の淡い友情も描かれており、劇場で涙を流す人も後を絶たなかったという名作だ。  繰り返しになるが、新作の『ターミネーター:ニュー・フェイト』は、本作から続く物語なので、上記の2作さえ見ておけば、ストーリーを追うことができるだろう。

『ターミネーター3』:監督が代わりテイストチェンジ。賛否分かれる出来となった1作

 2003年公開の本作は、「ターミネーター」シリーズの生みの親であるキャメロンは監督をしていない。後任は、後に映画『サロゲート』などを撮るジョナサン・モストウが務めた。
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本作から登場の、ジョンの妻・ケイトは続く4作目にも登場する(画像は『ターミネーター3』DVDより)

 前作から10年後。“審判の日”を回避したジョンは、しがない日々を過ごしていた。しかしそこへ、新型アンドロイド・T-Xが突如襲い掛かる。同じ時、T-800と瓜二つのアンドロイド・T-850が目前に現れて…というのがあらすじ。  監督交代により、若干コメディ色が出た本作。カーアクションの迫力や、ほろ苦いラストシーンなど高く評価されている部分もあるが、興行・批評的には芳しくない結果に。  当時は、時系列的にも第2作目に連なるとされていたが、『ターミネーター:ニュー・フェイト』が正当な続編となった現在では、続く第4作目と合わせて、時系列が分岐した作品として扱われている。
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心機一転した4作目は?
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