さて、此度のPayPay還元キャンペーンの対象に入っている牛丼チェーン店3店舗（吉野家、すき家、松屋）は、それぞれ異なる支払い方法を導入している。注目すべきは、全店券売機導入の松屋。この券売機で食券を購入する完全前払い制でもあるが、これはQRコード決済にも対応している。利用客は、店員の手を一切借りずにスマホ画面のQRコードを券売機に読み取らせる。 　筆者がQRコード決済初心者に対してアドバイスをする時は、「まずは松屋で食事をしてみましょう」とよく言っている。目の前で店員が待っているわけではないから、スマホ操作に多少手間取っても慌てる必要はない。これはまた、スマホを親指だけで操作することが難しい人のためのキャッシュレス実戦練習でもある。 　今でも対面レジが主流の吉野家や、去年からようやくセミセルフレジへの本格更新に踏み切ったすき家。これらに比べたら、松屋の券売機（と、それに付随する前払い制）はQRコード決済との相性に優れているというのが筆者の判断だ。 　キャッシュレス決済とは本来、サービス提供者と利用客双方の省力化を目指すものでもある。この角度から物事を観察すれば、現在競合する牛丼3ブランドの間に差が発生していることがよく分かる。＜文／澤田真一＞ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー』