女嫌いをこじらせたイケメンの闇「復讐相手は女なら誰でもいい」
なお田中さんは、「でも、僕は女性を見下してはいないんですよ」とも弁明していた。
「僕は『男性よりも女性の方が世界の解答に近い場所にいる』と思っているんで。でも近いがゆえに、人間という俗物の時空から遠ざかっているとも思います。男は俗物で、くだらない生き物だから、『将来がどうなろうがセックスできればいい』と思うじゃないですか。
でも女性は、そうした男のくだらなさを受け止めてくれないし、手前の快楽に惑わされない。実利主義なんですよね。港区女子も、カネになる男としか付き合わないじゃないですか。それは真っ当な考え方だと思うんですけど、そういう女に対しての苛立ちはありますね」
田中さんが抱えている女性への怒りは、実利主義や学歴主義への怒りであり、そんな社会で“勝ち組”になれなかった自分への怒りでもあるだろう。また田中さんは「どんな理由があろうと、フラれるってオスとしての敗北ですよね」とも話していて、ある特定の男性観・女性観に囚われることで、自分自身が傷ついているようにも感じた。
田中さんの思想は極端なものだが、「男性はこうあるべき」「女性はこんな生き物」と決めつけることにより、悩みや苦しみを抱えている人は世の中に多いのではないだろうか。
「男は誰しも女に侮辱されたことはあると思うし、みんな無意識に女に復讐をしているんですよ。でも、僕みたいに無意識に復讐をできない人が、いわゆる“こじらせ”になるんでしょうね」
田中さんの意見には認めがたい女性蔑視や暴論が含まれており、本人も自覚しているように、彼の復讐は無関係な女性を傷つけている。ただ、その自覚があるからこそ田中さんは苦しんでいるわけで、田中さんの言うように、自覚なしに女性を傷つけている人は実は多いのかもしれない。
また、過去の人生や恋愛で受けた傷を、目の前の相手に「復讐」のようにぶつけてしまう過ちは、男女に限らず誰もが犯し得るものだ。
田中さんの熱弁を聞き終えた午前3時頃には、「田中さんの言ってることってヤバいんだけど、どこかで『その感覚、少し分かる……』と思えるところがあるから怖い」と言っている人もいた。男の歪んだ女性への認識の問題に対して、男性は「程度の差はあれ、自分もどこかでそういう部分があるかもしれない」という自覚と恐れを持ち続けることが、やはり大切なのではないだろうか。<取材・文/古澤誠一郎>
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