エンタメ

女優・松本穂香が語る主演という存在「撮影の合間も…」

「あなただけじゃない」と寄り添える作品

――最初に脚本を読んだときは、いかがでしたか? 松本:純粋に面白いなと思いました。お母さんが「食べ物で遊ぶんじゃない!」って言うシーンは、もう喜怒哀楽がおかしくなってしまったことを表しているんですけど、読んでいるだけでクスッとしてしまうほど。脚本の時点でも、重い印象はありませんでした。 ――では、サキについては脚本を読んでどんな印象を持ったのでしょうか。 松本:お母さんが壊れてしまったこともお父さんが自分を見てくれないことも、全部自分のせいにしている女の子ですね。そんな状況だと心がおかしくなってしまいそうですけど、そうならないよう心にフタをしています。そういう考え方って、私もわかるんです。だから、サキは近いところがあると思っていましたし、そういう気持ちを膨らませれば難しいことはないと思っていました。 ――とはいえ、この作品は間や表情で見せるシーンが多く、セリフに気持ちを乗せる芝居よりも難しい印象があります。 松本:それが、私はそっちのほうがやりやすいんです。「わたしは光をにぎっている」のときも、そうでしたが、今回の作品では、とあるシーンで渋川さんを見るだけで腹が立つ、といった感覚にまでなれました。 ――まだ公開前なので詳しくは言えませんが、お父さんに夢を応援されたシーンで、少し間をおいてからの「がんばる」がすごく良かったんです。じーんと響くというか。そこはどんな気持ちで演じたのでしょう? 松本:結局は、嬉しかったんです。今日もお酒に溺れて帰ってきて、自分に興味を示してくれないだろうと思っていたお父さんが、久しぶりなのかはじめてなのか、自分の方を見てくれた!っていう。きっと、関心を示してくれただけでどうしようもなく嬉しかったんですよ。一気にバッと喜びを出すことはないですけど、気持ちはプラスのほうに傾いただろうなと思って。そこは意識しました。 ――かと思えば、お父さんに思い切り怒りをあらわにするシーンも。迫真の演技でした。 松本:私も脚本を読んでいて大事だなと思っていたシーンでした。だからほかのシーンを撮っているときも、あのセリフをずっと頭の中で復唱していたんです。お陰で、特に何も力まず、緊張もせずに挑めましたね。自信がありました。 ――ずっと念頭に置いていたからこそ、逆に。 松本:そうですね。だからワンカットで撮って、一発OKでした。何度もできるようなシーンじゃないので、みんなで集中して撮ったのを覚えています。そして、一旦シーンとしてから片桐さんのカットがかかりました。 ――監督も、それだけ入り込んでいたんでしょうね。 松本:ただ、後日片桐さんが私に教えてくれたんですけど、このシーンの撮影直前、カイロのケバケバを取っていたらしいです(笑)。「『松本さんなにしてるんやろ?』と思って見てみたら、カイロのケバケバ取ってたよ」って。私なりに、ボーッとしながら気を静めていたんだと思います。そのくらいの気持ちで臨んだシーンでした。 ――大きな見どころになるでしょうね。 松本:だと嬉しいです。この映画の中に明確な答えはないと思うんですけど、悩みを抱えている人に「あなただけじゃないよ」と寄り添える作品になっていると思います。ギャハハと笑うシーンはないですけど、「何なんだこの人!」という人物がたくさん出てくる面白さはありますし、とにかく観てもらいたいです。
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