女優・松本穂香が語る主演という存在「撮影の合間も…」
「おいしい家族」「わたしは光をにぎっている」など、昨年から今年にかけて主演映画が立て続けに公開。松本穂香は、いまやすっかり人気女優の1人となった。

3月6日には、映画『酔うと化け物になる父がつらい』が公開された。渋川清彦とのダブル主演を務める本作は、菊池真理子によるエッセイ漫画の実写映画化作品。毎晩のように酒を飲み、泥酔して帰宅する父・田所トシフミ(渋川)と、そんな父を煙たがる娘・サキ(松本)を中心に描かれた家族の物語だ。松本がこれまでの出演作で培ってきた、自然な芝居が光る。そこで松本に、本作に対する思いやサキの芝居について聞いてみた。

――映画『酔うと化け物になる父がつらい』では、名優・渋川清彦さんとダブル主演を務めた松本さん。聞くところによると、渋川さんのお芝居が見どころの一つだとか。
松本:そうなんです。どのシーンがというよりは、好きなシーンがたくさんあって選べないんですよね。どこまで言っていいかわかりませんが、渋川さんは実際にお酒を飲んでお芝居をされているんです。
――そのほうがリアルに見せられますもんね。
松本:はい。それもあって“渋川さんだからこそ”の、憎めないかわいらしいお父さんになっていると思います。玄関で寝ちゃうシーンも、現場で笑い声があがるくらいでしたね。この作品においては、コミカルに見えることが一番大事だと思うんですけれど、渋川さん演じるお父さんがかわいらしいお陰で、重すぎない不思議な空気感になっていました。
――そう、この映画って描き方が少しでも違うと……。
松本:すごく重くなるんですよね。だって、お父さんは酔って家族に迷惑をかけるばかりだし、休みの日も家で仲間と延々飲んで家族をないがしろにするし。
――それに疲れて、お母さんは新興宗教にのめり込んで。
松本:しかも、お母さんが体調を崩して入院したその日から飲んでいるし。普通なら考えられないくらい酷いじゃないですか。だけど、不思議とチャーミングに見えるんですよね。その秘訣こそが、渋川さんのお芝居だと思っています。原作の漫画では、娘さん側の気持ちを描いていましたけど、映画ではお父さん側の心情も見られるんです。お父さんが会社でどう振る舞っているかとか、なぜお酒を飲むかとか……。だからまた違う見え方になって、重さが和らいでいるのかもしれません。
――同じ情景のシーンが多かったですし、渋川さんとは仲良くなったのでは?
松本:実は、撮影中は一切コミュニケーションを取っていないんです。サキとお父さんって、全然コミュニケーションを取らないからすれ違っていくという関係なので、私たちも仲良くなってはいけないと思っていて。現場に入ったら誰も何も言わず、自然とそうなっていましたね。
――じゃあ、ちゃんと接したのはそのあと。
松本:そうですね。撮影が終わってからです。沖縄国際映画祭(本作が出品されている)の取材のあととか、一緒にお仕事をさせていただいたあとに片桐健滋監督も一緒に2回ほどお酒を飲みに行きました。そのときも、顔を真っ赤に染めてニコニコとしていて、まさにお父さんのようにチャーミングで。そんなにたくさんしゃべる方ではないんですけど、片桐さんと一緒に映画の話で盛り上がっていました。「これからもずっと一緒に仕事したい!」と熱く語っていたのが印象的です(笑)。

お父さんがとにかくチャーミング!

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