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コロナ投資で狙うべき銘柄…日経平均1万7000円割れはチャンス到来!?

1万7000円割れを“底”と判断する理由

 コロナウイルスの感染拡大で、景気や企業業績の悪化が現実味を帯びてきた。日経平均株価はコロナショック前の高値から3割も下落し、NYダウは史上最大の下げ幅を記録するなど、すでにリーマンショック級の世界同時株安が投資家を襲っている。  とはいえ、こうした暴落は、一攫千金のチャンスでもある。これまでも、こうした金融ショック下で株価が安くなったタイミングで果敢に勝負できた投資家が、資産を築いてきたことも事実だ。現状の株安は、果たして仕込んでよい時期なのか。そうだとしたら何を買うべきなのか。 【過去記事】⇒コロナ相場で日経平均はどこまで下がる? プロが出した答えは…  元ファンドマネージャーの株式評論家、Bコミ氏こと坂本慎太郎氏は「日経平均株価のPBRが0.8倍近辺にある状態は、長期目線の買いを検討していい水準」と話す。  本来、PBR1倍は底値のメドとされるが、現状の1倍の水準は2万700円前後で、すでに大きく割れてしまっている。しかし、08年のリーマンショック時や11年の東日本大震災後は、PBRが0.8倍まで落ち込む期間があり、これがまさに大底となっていた。一時的にオーバーシュートすることがあっても、この水準を大きく下回る時期が長期化するとは考えにくいという。

高配当銘柄への中長期投資がオススメ

 具体的に、どのような銘柄が狙い目なのか。坂本氏は「まずは高配当銘柄」とアドバイスする。 「1万7000円割れの水準は長く続かないと考えていますが、上昇相場に転じることはまず期待できないので短期での値上がりを期待する投資は難しい。今回の下げで配当利回りが6~7%台まで上昇した銘柄も多いので、その中から長期保有できる銘柄を吟味するのも良いのでは。同じ理由でREIT(不動産投資信託)やインフラファンドも狙い目でしょう」  業績面で選別するなら、比較的下値余地が小さい内需関連がよいという。 「売られ過ぎている銘柄の中には、そこまで悪くはない決算で見直されるものもあるでしょう」  坂本氏が注目するのは、政府の財政出動の恩恵を受けやすい土木関連、多額の資金が投じられるリニア新幹線関連、世界中で取り組みが進む脱プラスチック関連、過払い金請求が落ち着きを見せ回復傾向にあるその他金融だ。  具体的には、土木関連のピーエス三菱(1871)、富士PS(1848)、川田テクノロジーズ(3443)、土壌処理のダイセキ環境ソリューション(1712)、トンネル掘削ドリルの古河機械金属(5715)、特殊ネジのサンコーテクノ(3435)、トンネル用ベルトのケーエフシー(3420)、紙袋大手のザ・パック(3950)、消費者金融のアイフル(8515)などがあるという。  ただし、投資する際は一度に資金を投じるのはリスクが高い。特に上下に激しく動くボラティリティが高い相場では、資金管理が命綱だ。少しずつ、慎重に買いを入れていくのが良いという。  また、大化けを狙うような成長株投資も、2020年はご法度だと坂本氏は警告する。 「成長期待が高い銘柄を追いかけるのは、市況が良いときだけにとどめるべき。こうした銘柄は何年も先の成長を織り込んでPER(株価収益率)が高くなっており、たとえ増収増益でも期待に届いていなければ激しく叩き売られ、株価は半値どころかそれ以下も十分あり得る。  今は儲けることより生き残りを優先すべきで、リスクの高い銘柄には手を出さないのが鉄則。地味な投資はつまらないと感じる人は、潔く休むことも有力な選択肢です」  長期化の様相を見せるコロナショックの影響を甘く見るべきではないが、長期的にはまたとないバーゲンセールになるかもしれない。 <取材・文/森田悦子>
フリーランス記者/ファイナンシャルプランナー。地方新聞記者、編集プロダクションを経て独立。主な執筆分野は資産運用、年金、社会保障、金融経済、ビジネスなど。新聞、雑誌、ウェブメディアなどで取材記事やインタビュー、コラム、ルポルタージュを寄稿
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