スポーツ専門局として知られるJ SPORTSも、無料配信を始めている。ユーザーは会員登録をする必要があるが、昨シーズンの人気番組を中心に月額費不要の番組公開を既に行っている。これは4月30日までの期間限定の措置だ。 　新型コロナウイルスは、スポーツ各競技に甚大な悪影響を及ぼした。ラグビートップリーグは既に中止、プロ野球は開幕の目途が立たず、Jリーグも再開に暗雲が漂っている。スポーツ番組が、ある時を境に姿を消してしまった。各競技のファンはかつてない喪失感を覚えているはずだ。此度のJ SPORTSの措置は、乾き切ってひび割れたスポーツファンの胸に1滴の清涼な水を投じるものでもある。 　現時点で、新型コロナウイルスの感染拡大がいつ終わるのかは誰にも分からない。ワクチンや治療薬の開発は始まっているが、それが出回るまでにはまだ時間がかかる。少なくとも、今年のゴールデンウィークは例年通りのことが一切できないと覚悟するべきだろう。 　だからこそ、動画オンデマンドが打ち出す「無料配信」という文言にひとまず飛びついておくべきだ。我々はこれから、長く単調なペースの戦いを強いられる。だが、我々は戦いに勝たなければならない。そのためには「心への栄養」が必要不可欠である。＜文／澤田真一＞ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー』