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2000万円で投資マンション購入も空室続き…自宅にして長時間通勤に耐える日々

住宅ローンを不正利用した「ニセ自宅」を貸す男の本音

「とにかく収入を増やしたくて不動産投資を始めたのですが、低収入の会社員ではアパートローンが借りられず、やむを得ずでした」  そう告白するのはIT企業に勤める安沢克昭さん(仮名・43歳)だ。業者の口車に乗せられたケースと異なり、安沢さんは住宅ローンを投資用物件の購入に充てるという不正利用に自らの意思で手を染めた。 「ネットで見つけた1300万円の中古の一軒家を購入し、9万円で貸し出しています。住民票は半年ほど移しておき、ほとぼりが冷めた頃に元に戻しました。報道で問題になっているのは、相場を知らずに割高な物件を押し込まれた、いわば“情弱”。儲かる物件を選べば、そうそうやけどはしません」  悪びれる様子のない安沢さんだが、銀行にバレる心配は当然ある。 「対策としては郵便受けに僕と入居者の表札を出し、入居者には、『銀行から手紙が来たら転送してほしい』と、宛先記入済みのレターパックを大量に渡してあります」  何も問題は起きてないと胸を張るが、銀行員が訪問すれば一発でバレる。その点を指摘すると、饒舌だった安沢さんは口をつぐんだ。 「でも、私の場合、源泉徴収票や預金通帳の改ざんはしてないので、それほど悪質ではないと思います」  強弁するのは不安の裏返しか。35年間、金融機関を欺き続けることは容易ではないはずだ。 <取材・文/週刊SPA!編集部 図版制作/WADE>
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