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780万円の格安物件は買っても大丈夫? 築50年の都内戸建て

「下がる、下がる」といわれ続けている不動産価格。新型コロナ問題でますます住宅事情の先行きを読むのは難しいが、「いい買い物/悪い買い物」は確かに存在する。そんな明暗を分かつものはいったい何なのか? 今回は780万円の格安物件を購入した夫妻を取材した。
[家と年収]の正解

坂本さん夫婦。これまで住んだ家にはなかった庭があることも今の家のお気に入りのポイントとのこと

格安の築古再建築不可物件をリノベで理想の自宅に

 東京都内の一戸建てで夫婦と大型犬1匹で暮らす坂本祐希さん(仮名・53歳)。愛犬との暮らしを重視して選んだという現在の家は駅から距離があるものの、物件価格は780万円と破格だ。 「念願の大型犬は世話が大変なのも事実。庭つきの平屋なら住みやすくなると思い始めたんです。ネットで気になる物件があったのですが、再建築不可というワケあり。ただし、地価を考えると格安で、さらに指し値を入れて購入。元値の1280万円から大幅にディスカウントしてもらった結果が780万円でした」  無事に希望通りの物件を入手。しかし、クリアしなければならない課題はまだほかにもあったと坂本さんは当時を振り返る。 「当時の世帯年収は600万円ほど。購入しようとしている物件は再建築不可だったため、案の定、一般的な住宅ローンはダメ。当初、頼りにしていた地銀に断られるなど、融資づけは二転三転しました。ノンバンクにも粘り強く相談し、頭金を多めに入れることにはなりましたが、期間10年、月約3万円という優しい返済計画のローンが通りました」
[家と年収]の正解

水回り以外は間仕切りのないワンルーム。天井を撤去して、ロフトを作成し、空間を活用。リノベーション前も老朽化していたわけではなかったが、坂本さん夫妻はこだわりを生かして、室内の雰囲気も一新

 そうして手に入れた新居。推定築50年超の家屋は485万円をかけて大規模なリノベーションを施していくことに。 「平屋で37㎡しかないため、いかに空間をうまく使うかが最重要課題でしたね。効率的な動線を追求したり、ロフトを作ったり……玄関もキッチンもそれまでとは位置をガラリと変えました。家を選ぶ際はどうしても広さや築年数、間取りなどの『数字』にとらわれがちですが、実は住んでみての満足度は景観や動きやすさなど数値化できないものがとても重要な気がしています」  実は坂本さん、現在のマイホームで自宅用物件の購入は3度目。DIYやリノベーションの経験がすでに豊富だったという。 「最初に購入した武蔵小金井駅近くの中古マンションの一室はローンもすでに完済し、現在は賃貸で家賃をいただき続けています。2軒目の立川の家は一旦、賃貸に出したあとに売却し、1000万円ほどの利益を得ました。以前、住んだ2軒の家にも助けられ、今は二人と1匹で幸せに暮らせているので100点満点ですね。うまく買えば、自宅は負債ではなく、強い味方になってくれる。ずっと賃貸住まいだったら体験できていなかったであろうことが実現できたのでとても感謝をしています」  工夫と行動力を磨くことで、家は人生を豊かにする心強いツールとなりえるのだ。 == <坂本家の詳細> 世帯年収 600万円 購入金額 780万円 ローン期間 10年 月々の返済額 約3万円 築年数 推定50年以上 延べ床面積 37.65㎡ 最寄り駅から徒歩 20分 [家と年収]の正解<取材・文/週刊SPA!編集部 図版制作/WADE>
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