更新日:2023年05月24日 16:25
仕事

解雇された50歳の観光バス運転手。“コロナ失職”の深刻な現状

失業手当だけではとても生活できない

コロナ失職の悲鳴

自宅アパートは月1万2000円の住宅手当が打ち切られ、引き払うことを検討中

 退職金はなし。本人は「勤務期間が7年と短いので当然ですけど、15年以上勤めていた古参の社員もまったくもらえないのはちょっとかわいそうだった」と話す。 「会社都合の解雇なので4月からすぐ失業手当が受給できますが、計算したら月額の支給額は16万円以下。ここから養育費も払うと生活するのが厳しいため、失業手当を頼りにしないで仕事を探しているところです」  3月中から複数の会社に応募しているが、50歳という高齢に加え、業界ではどこもコロナショックによる雇い止めが想像以上に広がっており、新規募集などもってのほか。面接までこぎ着けた会社はわずか。再就職の厳しさを身をもって感じている。 「バス運転手の求人も少なく、応募が殺到しているので難しいですね。以前は長距離トラックの運転手をしており、慢性的な人材不足の業界なのでこっちなら雇ってくれそうですけど、そもそも体力的・精神的にしんどくて辞めたので……。とはいえ、贅沢は言ってられませんし、このまま仕事が見つからないようなら復帰しようかと思っています」  たとえ望まない仕事であっても、再就職のアテがあるぶん、彼はまだ恵まれているのかもしれない。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
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