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“コロナ失職”の深刻な現状。大企業もボーナス削減、リストラ…

 各業界に吹き荒れるコロナ禍。停滞する日本経済や企業活動への損失は計り知れないが、解雇や契約解除などで職を失った人はすでに続出している。今後間違いなく増える“コロナ失職”の深刻な現状に迫った!

本当の危機はこれから! 体力の弱い企業から中高年リストラが横行する

コロナ失職の悲鳴 日増しに深刻になる新型コロナウイルスの損失。現在の状況について、経済ジャーナリストの岩崎博充氏はこう分析する。 「金融セクター発のシステムリスクという限定的なリーマン・ショックや、局地的な被害の東日本大震災と比べると、新型コロナウイルスの感染拡大は“見えない敵”による世界同時多発テロに近く、経済危機の度合いがまったくの別物です。現時点で収束の気配が見えない以上、不況は避けられない。むしろ、次の段階である恐慌で食い止めるのか、それとも、さらにその先の金融システム崩壊を伴う壊滅的な経済危機をもたらすかの“瀬戸際”にいると言えます」 コロナ失職の悲鳴 すでに新型コロナウイルスによる経済損失は甚大だ。東京商工リサーチによると、上場企業135社が3月期決算の業績見通しの下方修正を発表した(3月27日時点)。各社の下方修正を集計すると、売り上げで1兆1944億円、最終利益で1兆1177億円も落ち込んでいるという。 「このまま消費の冷え込みが続けば、現金がなく資金ショートして倒産する企業が続出するでしょう」  何とか倒産を逃れても、企業の経営混乱と業績悪化は免れない。当然その被害は従業員にも及ぶ。 「全労働者の約4割が非正規社員。需要が減ったぶん、すでに彼らの雇い止めが始まっています。このままなら5月から6月には大企業でもボーナス削減や役員報酬、管理職の賃金カットが始まり、高賃金で企業の重荷となっている中高年の正社員を対象とした希望退職者の募集、いわゆるリストラが加速するでしょう。コロナショックを表向きにした人員整理を断行する企業も出てくるかもしれません」
コロナ失職の悲鳴

岩崎博充氏

 新型コロナウイルスによって失職した人たちは続々と増えている。だが、これらの悲痛な声はほんの序曲にすぎないのかもしれない。 ▼コロナショックで広がる日本経済への大打撃 ・第一生命経済研究所が「東京で都市封鎖が行われたら、1か月で実質GDPが5兆1000億円減少」と試算 ・大手商社丸紅が1900億円と過去最大の赤字の見通し ・石油元売りJXTGが約3000億円の赤字へ ・2月の中国からの輸入が前年同月比で47.1%減少 ・2月の訪日外国人観光客数が前年同月比で58.3%減少 ・2月の製造業の新規求人数が24.7%の減少 【岩崎博充氏】 経済ジャーナリスト。経済、金融などに特化したフリーライター集団「ライトルーム」代表。著書に『トランプ政権でこうなる!日本経済』(あさ出版) <取材・文/週刊SPA!編集部>
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