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コロナ禍の資産運用術。預貯金の割合は?何に投資すべき?

金、現金、勝ち組米国株に分けて保有

 また、土居氏は「金価格は米国の物価に連動する傾向が強い」と指摘する。金の価格は「有事」で上昇しやすい反面、株価が上昇するリスクオン局面では低迷しがちだが、それでも米国のインフレ率には追従してきた歴史がある。現金の最大の弱点とされる「インフレになると損をする」ということが、金投資では起こりにくいのだという。  金に投資する具体的な方法としては、少額であれば純金積み立てが利益に50万円に税控除を受けられるのでお得だ。大手ネット証券でも楽天証券が対応している。コストを抑えたいなら、米国上場のETF「SPDR ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト」、信用取引に活用したいなら東証に上場するETF「SPDRゴールド・シェア(1326)」などが向いている。  とはいえ、やはり悲劇的な二番底に備えるには現金も必要だ。コロナ長期化に備える基本のポートフォリオは、「金」に加えて、「現金」そして、コロナ禍でも株価が堅調に推移している米国の勝ち組企業の株を3分の1ずつ保有するのがよいという。アマゾンやマイクロソフト、エヌビディアのほか、こうしたハイテク企業で構成されるNASDAQ総合指数に連動するETFなどでもOKだ。P&Gやジョンソン&ジョンソン、コカ・コーラなど、コロナ感染が長期化しても一定の需要が見込める企業でもよいという。  なかには、やはり日本株も手がけたい、という投資家も多いだろう。土居氏は「この不確実性が高まっている局面で、日本株で利益を上げるにはちょっとした工夫が必要」とアドバイスする。次回は、コロナ下での日本株投資戦略について詳述する。<取材・文/森田悦子>
フリーランス記者/ファイナンシャルプランナー。地方新聞記者、編集プロダクションを経て独立。主な執筆分野は資産運用、年金、社会保障、金融経済、ビジネスなど。新聞、雑誌、ウェブメディアなどで取材記事やインタビュー、コラム、ルポルタージュを寄稿
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