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車いすYouTuberギャル・渋谷真子が語った「生と性」

日本のバリアフリー、なぜ遅れてる?

 車いす生活の動画配信を通し、渋谷氏がバリアフリーの現状を伝えているが、実際、日本のバリアフリー事情はどうなのか。 「建築・まちのバリアフリー」を専門に研究する東洋大学教授の菅原麻衣子氏に話を聞いた。 「障害のある人への差別を法律で厳しく禁じるアメリカやカナダに比べ、日本のそれには物足りなさがあります。ですが、いろいろな障害の中でも、移動・利用の制約が大きい車いす使用者に対するハード面のバリアフリー化は、多機能トイレや駅構内のエレベーター設置など、少なからず進められてきました」  ただし交通機関に限っては、渋谷氏が「永田町事件」と題した動画で指摘したように、「乗り換えで一旦地上に出なくてはならない」「エレベーターが1か所。しかもホームの端」といった駅は、開発が難しい都心を中心に多いという。一方、障害のある人に対する意識や対応といったソフト面はどうか。 「『多機能トイレがコスプレイヤーの衣装の着替え部屋に様変わり』や『車椅子などの優先エレベーターなのに健常者で埋め尽くされ長時間待機』など、それを最も必要とする人が使えないという問題があります。  日本では、幼少期から障害のある人と接する機会が少ないためか、ソフト面の成熟度は低いと言わざるを得ません。『障害者のためにバリアフリー化してあげる』という上から目線の社会的風潮も根強い。東京パラリンピックを機に、無意識や無知による差別からは卒業すべきでしょうね」 【菅原麻衣子氏】 東洋大学ライフデザイン学部人間環境デザイン学科教授。研究テーマは、建築・まちのバリアフリー。日本福祉のまちづくり学会所属 取材・文/谷口伸仁 撮影/高石智一(本誌)
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