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キャンパスに行けない大学生たちの苦悩。友達もできず帰省もできない

「なんで俺らの世代だけがこんなツラい思いしなきゃいけないのか」

 東北地方の大学に通う1年生の海斗さん(仮名)は「自分は高校生の頃、部活に励んでいたので、今の高校生は遊びにしてもバイトにしても部活動にしても、コロナの影響で自由にできないのが可哀想」と話す。そんな海斗さん自身も……。 「コロナの影響で卒業旅行で東京に行く予定がなくなっちゃったのがすごくツラくてやるせない気持ちです。カップルでディズニーに卒業旅行に行くのを楽しみにしていたクラスメイトもいたし……ディズニーってやはり特別な憧れがあるものじゃないですか。人生で1度きりしかない高校卒業のタイミングで思い出を作れなかったのはとてもツラそうでした」(海斗さん、以下同)  結局、海斗さんたちは東北内での卒業旅行に急遽変更したという。しかし夏休みになっても自由に旅行ができる状況ではなく、予定していた旅行や遊びも思うようにできなくてストレスが溜まっているのだとか。 「学生生活送るうえで勉強も大切だと思うけど、それと同じくらい遊びって大切だと思うので、なんで俺らの世代だけがこんなツラい思いしなきゃいけないのかとは思います。学校の先生は『ツラいよな~』って言ってくれますが、親は自営業をしてることもあって『絶対コロナもってくんなよ! 迷惑かけることすんなよ! 都市部にいくなよ!』って圧をかけられます。夏の花火大会も楽しみにしていたのに。ストレスが溜まりますね」

2年生でも……「オンライン講義がカスすぎる」

 都内で看護系の大学に通う藤田志保さん(仮名)は現在大学2年生。「大学に行けず、友達にも会えず、帰省もできず……かなり孤独です」と今の心情を訴える。しかし、大学2年生であれば、友達もいるし学校の様子も分かっているのでは……と思いきや、かなりストレスを抱えていることがあった。 「オンライン講義がカスすぎるんです! メインの授業をやってる教授たちは50歳以上の人ばかりで、ITスキルが低いからなのか、オンライン授業がめちゃくちゃです」(藤田さん、以下同)  その「カスすぎる」授業の内容とは、以下の通りだ。 ・対面授業と同じ文字サイズでスライドを作っていて見づらい ・スライドショーや資料のアップロードなどの操作を教授がスムーズにできない ・授業をスムーズにできないせいか、やたらとたくさんの課題を出す ・ひどい教授だと資料のアップと課題だけで、授業ナシ ・医療系なのに「実習」までオンライン  いわゆる我々が想像するような、「オンライン上で授業を配信してそれを聞く」ということですらなく、ひたすら課題を解かせるスタイルということだろうか? 「そうです。当然何も身に付かないですよ。つまり、15コマ一回も授業やらないで課題だけやらせるカス教授がいるってことです」  ちなみに「実習」がオンラインというのはどういうことだろうか? 「オンライン実習っていうナゾすぎるやり方です。事例を書いた資料を配り、学生に課題をやらせて学生同士で話し合いをさせるんです。つまり、課題と自習みたいな。ふざけ過ぎてます!」  たしかにそれは「実習」とは言えないだろう。むしろ看護系であれば実際に模型を使った実習などが必須なイメージがあるが……。 「普通に通学させて欲しいし、実習やらせて欲しいです。あと、授業料返して欲しい。今年度になってから、学生は大学の全施設を一度も使っていないし……無理なら、せめてまともなオンライン授業をやって欲しいです」  そんな藤田さんにさらに追い打ちをかける出来事があった。 「5月に2つあったバイト先が1つ潰れて、バイト収入が半減してしまいました。ただでさえ苦しいのに、7月に入ってから大学側が感染者発生を恐れて生活全般の都県をまたいでの移動とバイトを制限してきたんです。行動に関するアンケートを学生全員に取り、アンケート文末には脅迫文があって!」
アンケート

(藤田さん提供、以下同)

アンケート21.あなたの回答について確認してください 以上の回答は正確な内容です。万一、回答が不正確であったり虚偽であったりした場合は、実習科目やその他の科目を履修できない可能性があることを理解しています>   感染者を出したくない意図は伝わるが、確かに20歳前後の大学生には「脅迫文」と捉えられても仕方のない、かなり強めの文章かもしれない。
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1年間キャンパスには行けないことがすでに決まっている
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