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キャンパスに行けない大学生たちの苦悩。友達もできず帰省もできない

 新型コロナウイルスの影響で、今年は入社式や入学式が軒並み中止となった。新入社員は「一度も出社せずに入社式も研修もすべてオンライン」という人が多くいた印象だ。しかし、切実にこの状況に不安を感じているのは、大学生たち。  特に、今年入学した大学1年生は入学式から今まで全く大学に通えていない人も多く、ネット上には一度しかない大学生活が台無しになってしまったことへの不安や不満の声が溢れている。そんな大学生に今の不安を取材した。

大学に踏み入る権利をもらったはずなのに、1回しか大学に行けなかった

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大学1年生は、まだ一度も学校に通えていない人が多い。※画像はイメージです(以下同)

 “MARCH”と呼ばれる大学に今年入学した大学生(@daigakuhagimare)さんは、「大学に踏み入るのでさえ許可がいるなんてなあ。受験合格した時にその権利は貰ったはずなのになあ」とTwitterに投稿した。  ここでは(表記上まぎらわしいため)この「大学生」さんを田中和雄さん(仮名)とする。実は田中さんは、入学して4か月以上が経過した現時点で、まだ2回しか大学に足を踏み入れていないと話す。 「2月に受験で一度、それから大学の代表の方とお話する機会を得て8月に1度訪れただけです。代表の方と話したのは私だけが特例で頂いた機会なので、同じ1年生の大多数は受験以来、一度も行ったことがないはずです。最近サークル活動を制限付きで再開したので8月以降は学内に入れる学生が多少は増えると思いますが……」(田中さん、以下同)  都内はまだまだ感染者数が多い状況とはいえ、実質一度も大学生になってからキャンパスに足を踏み入れることができていない状況というのは想像を絶する。ゆえに、新入生ならではの不安が尽きないという。 「友達を作るタイミングがなかったので、初めての大学生活の悩みを共有できないこと、先輩との交流がないので単純に人との繋がりがないことがとても不安です。学生生活をうまく渡っていけるような知識も身につきません。  また、すべての行事や授業がオンラインとなりましたが、前期を経験して何度か通信障害があり、その度に出席や成績評価に対して不安が募っています。さらに、課題の量が多いのですが1人では解決できないことや、疑問があっても友達がいないため気軽に質問し、解決することができないのは困っています」  オンラインであったとしても、「これってどうする?」と気軽に相談しあえる友達がいれば情報交換しながら不安を解消できるかもしれない。しかし、新しい環境でまだ誰とも交流できていなければ、たった1人で不安を抱えることになってしまう。さらに、田中さんは不満に思っていることがあるという。 「大学が図書館や教室の利用、学内への入校を原則禁止しているので入ることができません。そのため、レポート試験で必要な資料が手に入りにくく、自費購入せざるを得ないんです。高額の授業料と施設費を払っているのに……途方に暮れています」  そこで田中さんは行動を起こした。 「親が保護者向けの質問フォームから、私や周囲の大学生の現状について大学に送ってくれました。すると、学部の代表の方が親と私と学部長の三者面談の機会を下さったのです」  田中さんと親は、冷静に現状を伝えその解決策を提案したという。大学側は提案が実施できるかどうかを考え、提案を大学の運営の議題に挙げてみると話してくれた。 「大学の施設に入るのに時間制限や入校制限は緩和される目処はあるのか?という質問には『後期からは多少は緩和させる予定で、段階的に変えていく』と回答してもらいました」  大学は前向きに検討してくれる姿勢だったものの、「15人の授業でさえ対面にならないのは何故なのか?」という質問に対しては『1年生だと実家に住んでいてすぐに東京に来れない学生や、東京に来たくない学生もいる。また教員やその家族の健康事情を考えて、教員にも自分の授業をオンラインにするか対面にするかを選ばせたところオンラインを選んだ教員が多かった』という回答で、そこに田中さんは疑問を抱いたという。 「お金を払っている学生に選択権が一切ない点に疑問に感じています。また後期もオンラインが続く科目について、教員に選ばせたなどという発表は公式ではされておらず、私を除くほとんどの学生は知らない状態です。お金を払っている私たちが授業を受けられない理由を教えられていないというのにも疑問を感じました」
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学費は返還すべきでは?
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インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。X(旧Twitter):@KA_HO_MA

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