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「ヒマだから来て」とは言えない京都人のプライド。コロナ、Go To、猛暑で…

夜の街の現在は?

先斗町

先斗町

 一方、夜の街はどうなのだろう。以前は外国人観光客で多く賑わっていた先斗町で働く人に話を聞いてみた。 「恐らく、京都の夜の街で最も影響を受けているのが先斗町ですね。この辺りは元々観光向けの飲食店が多く、外国人向けのバーやスナックもここ数年で急増しました。うちの近くにも外国人向けのカラオケスナックがあり、去年は夜遅くまでカラオケの音が聞こえていたのですが、今は閉めているようです。夜になると人通りはほとんどなく、閉店した店もあります。  うちは20年以上営業していて一時は外国人観光客ばかりでしたが、最近は昔からの常連客が戻ってきたという感じです。私としては、外国人は『山崎』など入手困難な国産ウイスキーをバンバン飲みまくるので、来なくなってホッとしているところもありますが。  それよりも、猛暑の中のコロナ対策のほうが大変です。定期的に換気しないといけないので、日没前はクーラーをつけていても暑くて……。お客さんとも『コロナの前に熱中症になりそう』なんて話しています」  祇園祭の中止や五山送り火の大幅縮小など、京都人にとっても「異例」となった今年の夏。だが、町が閑散としていても悲壮感は感じられず、土産屋の店員とかもコロナ前と変わらない印象を受けた。コロナ禍で各都道府県の旅行客への反応が物議を醸す中、京都人のもてなしの心だけは変わらないのかもしれない……と思った。<取材・文/カワノアユミ>
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano
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