「もともと顔見知りの業者が集まっていたこともありますが、現場監督を見返してやろうと一致団結したことが大きかったと思います。ただ、我々下請けは毎朝6時7時に集合して現場に向かうため、連日の残業で睡眠時間が削られるのは本当にキツかった。アイツ（現場監督）の尻拭いを自分たちがしていたわけですから」 　すると、そんな作業員たちの不満を爆発させる事件が起きる。工事が終わりに近づいたある日の出来事だ。 「複数の若い作業員から『現場監督に暴言を浴びせられた』という相談があったんです。下請けでもまとめ役となっている年上の作業員には何も言わないのですが、同年代や自分より若い作業員には違うみたいで……。下請けをバカにした見下し発言を以前から何度もしていたようなんです。ウチの上司がオブラートに包んだ言い方で現場監督に事情を確認したそうですが、これを否定。しかも、問題があるのは若手作業員のほうだと言い放ち、『そういう人間がいる会社とは……』と言ってきたんです」 　作業員たちはこれに反発し、「横暴すぎる」と現場監督に抗議。正式な謝罪があるまで作業は中断する旨を告げたそうだ。