更新日:2020年09月10日 15:09
仕事

実録『半沢直樹』の建設現場。ゼネコン若手社員の横暴に職人たちが一斉蜂起

 建設現場において現場監督は、スケジュール管理や作業の安全確認、作業員に指示を与える工事の責任者。いわゆる施工管理といわれるものだが、ゼネコン業界では経験を積ませる目的も兼ねて、若手社員が現場監督を務めるケースも多い。
現場監督

写真はイメージです(以下同じ)

 だが、なかには自分が偉いと勘違いしてしまったのか、現場の作業員とトラブルに発展するケースもあるようだ。

発注ミスで作業に遅れが生じても謝罪すらない

「数年前のことですが、ウチの会社が参加したビルの建設現場はひどかった。資材が足りなかったり、そもそも届いてないことも何度かあって作業が滞るじゃないですか。これは我々ではなく資材を発注するゼネコンの責任。それなのに現場監督だった当時20代半ばの同社の男性社員からはお詫びの言葉すらなかった。それどころかスケジュールの遅れを認めようとすらしませんでした」 作業員 当時の現場の様子をそう振り返るのは、建設会社社員の牧山努さん(38歳)。工事の規模はそれほど大きくなかったそうだが、それでも複数の下請け建設会社が参加。当然、作業員たちの不満は日増しに高まっていく。 「作業の遅れも多少であれば挽回できるので問題ありませんが、このときは台風による作業の中止もあり、資材の発注ミスに関係なく遅れが生じていました。そのため、ウチを含めた下請け各社の代表が作業スケジュールの見直しをお願いしましたが、『工期を守ってください』の一点張り。  それどころか『施工管理を担っているのは弊社です。それに従っていただけないと困ります』と、悪いのはこちらだと言わんばかりの態度を取ってきました。こちらとしても仕事を外されても困りますし、今後の付き合いを考えたら引き下がらざるを得ませんでした」  この状況で遅れた作業を取り戻すには残業をするしかなく、毎日数時間の残業を余儀なくされたとか。だが、親会社の威光を借りて圧力をかけてきた若手社員に対する作業員たちの意地もあり、工期の中盤にはすっかり遅れを取り戻したそうだ。
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若手作業員への暴言に抗議し、仕事をボイコット?
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ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。

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