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新事業部をめぐる不毛な派閥争いに、我が社の“半沢直樹”たちは…

 ドラマ『半沢直樹』ほどでないにしても社員同士の潰し合い、足の引っ張り合いはどこの会社にもあるもの。なかには当事者となった経験を持つ人もいるはずだ。 「30歳手前のとき、社内で新プロジェクトが立ち上がり、その事業部に配属されたんです。しかし、その新事業をめぐっては反対の声も多く、ほかの部署から邪魔が入ることもありました」  そう話すのは、素材メーカーに勤める野本健紀さん(仮名・36歳)。実は、新事業といっても部分的に事業内容が既存部署と競合。そうしたこともあって、部署を独立させずに従来の枠組みの中で行うべきとの意見があったのだ。

同じ会社なのに協力を拒否

「新事業はもともと若手や中堅社員有志の発案だったのですが、それを社内の派閥争いに利用されてしまったんです。軌道に乗れば十分な利益を見込め可能性が高く、互いにそれを自分たちのところに取り込んで手柄にしようと目論んでいたからです」
会議

写真はイメージです(以下同じ)

 結局、既存部署ではなく新部署で行うべきと主張したグループ(A閥)の意見が認められたが、当然ながら対立したグループ(B閥)はこの決定が面白くない。 「新事業部にはA閥の社員が加わりましたが、B閥からは0人。どちらのグループの息がかかっていたかは見る人が見れば明らかでした」  野本さんはどちらの側にも属さない中立の立場。新部署に抜擢されたことで仕事へのモチベーションも高かったが、社内での協力を得られずに苦労する場面が何度もあったという。 「以前からも社内で部署間の連携は取れておらず、業務を進めるうえでの弊害となっていました。事実、新事業部立ち上げ後もB閥に属する方が部長を務める部署からは情報提供をほとんど受けられず、製品化や売り込みなどで当初の予定よりも大幅に時間がかかってしまいました。おかげで『あそこはいつまで経っても利益が出せない社内の穀潰し』と言われ、事業撤退を検討すべきと主張し始めたんです」  会社の規模はそこまで大きくはなく、結果がなかなか出せない事業を気長に待つだけの余力はなかった。当初支援していたはずのA閥からのプレッシャーも厳しくなり、派閥争いに関係なく撤退、とまではいかなくても規模縮小が避けられない状況になっていく。 「それが立ち上げから3年目のことです。その年度中に目に見える形で結果を出す必要がありました。事業部のリーダー以下、中核を担っていた社員たちは私のように中立の立場で、派閥争いに自分たちの部署を利用したことにうんざりしていました。だから、絶対に奴らを見返してやろうっていう気持ちはありました」
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