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部下の手柄はオレの物…『半沢直樹』ばりの悪役上司は実在した

 与えられた業務をしっかりとこなし、結果を残してくれる優秀な部下は、本来なら頼りになる存在。使いこなすことで自分の評価を上げることにもつながるが、なかには優秀ゆえに自分の立場が脅かされると恐れる者もいるようだ。

大口契約を取ったのに…評価されたのは上司

上司と部下

写真はイメージです(以下同じ)

「私に対して少し距離を置いて接する感じはしましたが、いわゆるパワハラなど目に見える形で嫌がらせをしてくることはなかったです。ただし、最終的には厄介払いされる形で僻地に飛ばされてしまいましたけどね(苦笑)」  自身の左遷経験をそう振り返るのは、長井健次郎さん(仮名・45歳)。実際、上司との間に一体何があったのか? 「私が配属されたのは、会社が期待していたほどの業績が出せず、ジリジリと売り上げを下げている某事業部でした。ただ、前部署で付き合いのあったクライアントがその事業部で手がける製品に興味を持ってくれたり、ほかの取引先を紹介してくれたりして少しずつ結果を残せるようになっていました」  そんな中、大口の契約を取り付けることに成功。その年度の事業部の売り上げは大幅に伸びることになったそうだ。 「業績アップという目標を叶えたわけですからそれはうれしかったですね。運の良さに助けられた部分もありますし、私ひとりの力でもありませんが、自分にとっても大きな自信につながりました」  とはいえ、部署内で一番の功績は間違いなく長井さん。それは誰もが知るところだったが、会社がもっとも大きな評価を与えたのは上司。大口の契約も上司が中心となり進めたことになっていたのだ。 「商談に同席していたのは事実ですが、そのクライアントとずっと話を進めていたのは私と後輩社員の2人でした。最後においしいところだけかっさわれたような気がして釈然としませんでした」

地方の工場に突然の異動。推薦したのは?

 それでも自身の査定も大幅アップし、ボーナスにも反映。一見すると、上司は自分に対しても正当な評価を下しているようにも思える。  個人的に上司に思うところはあったそうだが、「会社に勤めている以上、こういうこともある」と何も言わずに受け入れた。 「ところが、翌年に異動を命じられたんです。それも東北の農村にある工場です。はたから見れば左遷といってもおかしくない内容でした。しかも、そのポストに私を強く推したのは上司だったんです」 工場 長井さんの功績を考えれば、通常ならそんな人材を地方の工場に飛ばすことなんてありえないはず。さすがに納得ができず、上司に説明を求めたそうだ。 「言い訳のように『誤解しないでほしい。決して君のことを厄介払いしたわけではない』と話していましたが、私のことが邪魔だったのかもしれません。新設の工場で『君の実力を買ってのことだ』と言ってましたが、上司は私に同じ部署にいてほしくなかったんです。私が上司に代わってそのポストに就く可能性があると危機感を抱いていたからです」  しかも、地方の工場であっても表面上は昇進しての異動。もはや辞令を撤回してもらうのは不可能な状況だった。
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上司のポジションを狙っているわけではなかったのに…
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