夜の街はガイドラインを守ってる?客にフェイスシールド着用を求める店も
新型コロナウイルス感染拡大のガイドラインが業種別に発表されてからおよそ3か月。夜の街でも感染対策をしながら営業を始めているが、実際はどう変わったのだろうか? 夜の各業態の店の様子を客と嬢に取材してみた。
まず、話を聞いたのは大阪北新地のラウンジに勤務する女性。
「うちの店は客席とテーブルにそれぞれアクリル板を設置して、お客様同士の飛沫感染防止をしています。テーブルには2名ずつ座ってもらい、キャストは隣ではなく丸椅子で接客。おしぼりはなくして、その代わり除菌シートを渡してお客様も手を拭くたびに新しいシートを使ってもらうようにしています。
店がそこまで広くないので出勤はママとキャストの2人体制。キャバクラは女の子のチェンジがありますが、ラウンジなので1度着いた女の子が変わることはありません。氷とマドラーは1人のお客様につき1セットずつ。最近は女の子もフェイスシールドの着用と、足消毒マットも購入しました。また、常連様にはなるべく大阪府のコロナ追跡システムの登録をお願いするようにしています」
この店ではないが、4月に感染者が出てしまったことで早い段階から打撃を受けてしまった北新地。感染対策は徹底しているようだ。続いても、徹底した感染対策を行なっていると話してくれたのは、名古屋市のキャバレーに勤務する女性。
「毎日、従業員の検温を実施しています。お客様には入店時の消毒と検温をしてもらい37.5度以上あったり体調の優れなそうな方の入店はお断り。また、黒服や女性キャストだけでなくお客様にもフェイスシールドの着用をお願いしています。
キャストはヘアセットをしているのでメガネ型のフェイスシールドを付けるのですが、お客様はサンバイザー型。たまに髪型を気にしているお客様はフェイスシールドを嫌がることもあります。ドリンクは席で作らず、黒服が1杯ずつ持ってきてくれます。でも、客席が狭いこともあり、隣に座って接客することはどうしても避けられないのが悩みですね」
一方、店に合わせた感染対策法を教えてくれたのは大阪のスナックに勤務する女性。
「カウンターが狭くてアクリル板を設置できるスペースがないので、キャストは全員マスク着用での接客を行なっています。他には入店時のお客様の検温と消毒。あとはキャストのカラオケは禁止して、お客様が歌うときはマスク着用でカウンターに背を向けて歌ってもらうようにしています。また、客席もソーシャルディスタンスを保ち、1席ずつ開けて座ってもらっています。1人で来るお客様が多いので、氷とマドラーはお客様は専用のもので。キャストのマドラーと氷は共有しています」
各店が対策を行う中、大阪のガールズバーに通う男性客はある変化を感じているという。
「僕がよく行くガールズバーは昼職と掛け持ちの女の子が多く、接客中は全員マスク着用しています。以前は結構、女の子のドリンク攻撃があったのですが、最近は距離を保つために1組の客に1人の女の子しか着かないようにしているそうです。カウンターが広いので、飛沫が飛ぶ可能性は少ないと思うのですが、皆マスクを外すことを恐れているのかドリンクのおねだりをしてこなくなりました。その店は早番と遅番で女の子が変わるんですが、昼職もしている女の子のほうが感染対策への意識が高いように感じますね」
客にフェイスシールド着用を求める店も
キャスト全員マスク着用のスナック
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東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano
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