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「コロナで、売れない芸人のバイトまでなくなった」弱小芸能プロの苦悩

悩む若者

写真はイメージです

売れない芸人は悲惨。完全復活にはあと1年かかる…

 Oさん以上に困っているのは芸人たち。パチンコ店や大型商業施設など、地方営業のギャラで、そこそこ食えたクラスは収入がほぼゼロになり、青息吐息。もともとギャラなんてほとんどなく、アルバイトで暮らしていた、いわゆる「売れない芸人」たちは、主な働き口の飲食店が売り上げ激減で「人減らし」に遭っている。 「12月の忘年会シーズンなんかは、私たちにとっても稼ぎ時。イベントが多いですから。でも、今年はすでにその時期もキャンセルが出ています。ウーバーイーツが話題になってたって、芸人はアスリートじゃないんだから、そんなに体動かすの得意なヤツばかりじゃないしなぁ……」  国や自治体の給付金があるといっても、いったいどの時期まで助けてくれるのかはわからない。とりあえず社員2人にはリモートライブの準備など、やれる仕事以外は休んでもらい、自分でプレゼンの電話をかけまくったり、営業に回れるところは回っている。  4月には完全になくなっていたテレビでも、地方ロケが復活するなど、回復の兆しは徐々に見えつつはある。だが、今年1月以前に戻るには、少なくともあと1年くらいはかかりそう、というのがOさんの暗い予測だ。  果たして、それまで会社がもつか? 会社をたたんで、どこか別の事務所に、一社員、一マネージャーとして再就職したほうがいいのかも? と思い悩むOさん。が、そう簡単に再就職先が見つかるかも不透明だ。

廃業・倒産・自己破産も視野に!最近は再チャレンジ制度も充実している

 企業再生ドクター・大和竜一氏の回答はこうだ。 <経営者の座から一度は下りて、一社員に戻ってみるのも悪くないかと思います。  Oさんのお話を聞く限り、「倒産」ではなく、「自主廃業」によって会社を閉じるのは可能のようですし、また「ブッキング」でビジネスができるとしたら、業界に「顔が効く」ことの証明でもあります。  今の時代、もし仮に倒産や自己破産に至っても、他の会社の役員になったり、もう一度自分が代表者となって新しい会社を起業する制限もなくなりました。ですから、これまでの経験を生かして、同業の知人が経営する会社の役員として再就職される例も少なくないのです。ご本人の会社に所属していた芸人さんたちも、新たに移った会社で救済もできます。  もともと日本では、一度失敗した経営者の再チャレンジは難しい、といわれてきました。中小企業の多くは金融機関からの融資によって会社経営をし、経営者自身がその借金の連帯保証人となるケースがほとんどだったからです。一度、会社を閉めてしまうと、その債務の責任をすべて経営者がかぶるケースが続出したわけです。  しかし、近年では日本政策金融公庫の「再チャレンジ支援融資」制度もでき、もう一度会社を作ろうとしたら、最大7200万円まで担保なしの低金利で融資を受けられます。  危険水域まで来たら、無理に結論を引き延ばさない。転覆前にさっさと一度、船から降りて新しい船を作り直し、もう一度、沖に出て行けばいい。国も、そういう政策になってきているのです。>
大和竜一

大和竜一氏 イラスト/青木雄二プロダクション

(やまと りょういち)中小企業再生ドクター。足利銀行にて温泉旅館の再建に従事し、ソフトバンク・インベストメント株式会社(現SBIホールディングス株式会社)にて数々のM&AおよびIPOを主導。その後、ホテル、上場外食企業、地方中堅デベロッパー、地方の老舗酒造メーカーなどで経営再建に従事。新型コロナウイルス問題発生当初は首都圏の中堅美容室グループのマネジメントとして様々な対応を主導。現在は、関西地方の中堅の自転車部品製造メーカーの代表取締役社長に就任。最新刊『コロナ大不況で「経済死」しないための本』(扶桑社刊)

コロナ大不況で「経済死」しないための本

コロナと戦うすべての中小・零細企業経営者・個人事業主、そして、そこで働く従業員の方々、すべてにぜひ読んでいたたきたい「コロナで経済死」しないための本です!
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